キーボードマガジンなどで大々的な特集を組まれているなど、各雑誌などで取り上げられているのでReasonについて既にご存知の方も多いかもしれません。これはPropellerheadというヨーロッパのソフトハウスが開発したソフトシンセで、WindowsでもMacintoshでも利用できるというものです。このソフトハウスはReBirthやReCycle!というソフトを開発したところとしても有名で、発売はSteinbergが行なっています。
そのReason、実際見てみると本当に驚くものに仕上がっています。ここにはアナログシンセサイザ、ドラムマシン、デジタルサンプラー、ループプレイヤーそしてリバーブ、ディレイ、ディストーション、コーラス……とさまざまなモジュールが詰まっているのです。そしてこれらはすべてラックマウント(もちろんバーチャルですが)式になっており、自由に組み上げることができるのです。見た目はまさに本物という感じでかっこいいデザインで、さらにシーケンサ、ミキサー、MIDIパッチャーなども用意されているので、これだけでスタジオになってしまうほどなのです。
また驚くのは、数の多さだけではありません。このラックマウントにセットした各モジュールを自分でパッチで接続できてしまいます。つまり、これらをどうつなぐかは自由自在なのです。しかも、各モジュールはひとつだけというわけではなく、たとえばサンプラーを5個配置するとか、リバーブを10個並べて、それぞれ違う設定で利用するなんてことまで可能になっています。
もう少し具体的に説明しましょう。それぞれのモジュールがかなり作りこまれているのですが、分かりやすい例がアナログシンセです。ここにはふたつのオシレーターがあり、ノコギリ波、パルス波、三角波、サイン波……と計32種類もの波形が利用できます。
さらにフィルタもふたつあり、カットオフフリケンシー、レゾナンスはかなり強力に効き、自由に音色が作れ、それに連動するエンベロープジェネレータも3つ、LFOがふたつ……といった具合いにすごい中身になっています。
実際に音を出すと、これがまさにアナログシンセという図太い音で、かなり使えるものとなっています。またパッチ接続のためにリアパネルが見れるというのもユニークで、ここは単にオーディオの入出力だけでなくCV/GATE端子がついていてシーケンサと連動させられる点もマニア受けしているようです。
一方、気になるのはレスポンススピードでしょう。Reasonを動かしているパソコンをキーボードと接続して、リアルタイムにプレイしてなるのかどうかという点です。実際に試してみたところ、これがまったく問題ないのです。ASIOドライバを利用できるため、レイテンシー(音の遅れ)はサウンドカード次第ですが、数msecまで抑えられるため十分です。
これならパソコンを単なる楽器として用いても問題ないし、すでにそれ以上のものになっています。こんなものが出てくると、今後リアルの楽器が売れるのかと本当に心配になってしまうほどです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。