20回を重ねた歌舞伎フォーラム。小芝居復活と、若手の芸の研さんと。
「若い役者の芸を磨く」「大道具など若い裏方の職人たちの技術の向上」「小芝居の復活」という3本柱で公演を続けてきた歌舞伎フォーラム公演。今回でついに20回となります。その制作発表を取材しました。
歌舞伎座や国立劇場など大劇場での、いわゆる「大歌舞伎」とは異なり、普段はわき役やその他大勢の役で奮闘している若手の役者、若手の職人達が集まり、毎年、江戸東京博物館などの小さなホールで公演を打って来ました。
團十郎や菊五郎など名のある役者が出演する大歌舞伎は、見応えたっぷり大満足。とはいえ、1等席のチケットが1万数千円という高価なもの。
「これでは庶民のものではなくなってしまう。歌舞伎が、マニアックな、あるいは伝統芸能の好きな一部の人だけのものになってしまうのはあまりにも残念です。
例えば親子四人で観て1万円でおつりのくる歌舞伎を作りたい。そして仕事帰りの人が観られるプログラムで。日本の演劇として歌舞伎をもっと普通の人に普通に理解してもらいやすいものにしたいですね」
歌舞伎フォーラムを主催する舞台創造研究所所長であり、狂言作者である竹柴源一さんの思いを軸に、規模は小さくても毎年公演をコツコツ積み重ねてきました。