歌舞伎/歌舞伎関連情報

肩の力を抜いて観劇するコツ10その1(2ページ目)

今年は十八代目中村勘三郎襲名と話題続きの歌舞伎。この際本物を一度は観てみたい!という人のために、でも楽しく観るための10のコツにわたってご紹介します。

執筆者:五十川 晶子

●「??」わからないことだらけ。→ 「!!」と感じるのが楽しむコツ。

「伝統芸能だし、和物だし」「着物で行かなくちゃいけないの?」「時代劇苦手だ」「舞台で誰が何の役だか見分けがつかない」「音楽が三味線で全部同じに聴こえる・・・」。歌舞伎はちょっと億劫、敷居が高いと思っている方には、こんな思いで敬遠している人が多いのかも。他の演劇のジャンルに比べ、やっぱり分かりづらい、気安い雰囲気では観られないと思われがち。
間違いなくその通り!・・・といいたいところだが、案外そうでもない。

伝統芸能と一言で言っても、歌舞伎の劇場はにぎやか、華やか、ほんわかムードで、お囃子など聴こえてくると、日ごろは邦楽に親しまない人でもどこかウキウキとしてくるのが不思議。同じ伝統芸能でも、能のピンと研ぎ澄まされ張り詰めた舞台の雰囲気とはまたちょっと異なるのだ。
もちろん着物で観劇はステキだが、現実には着物じゃない客の方が圧倒的に多い。客層も、お年寄りから年配夫婦、中年女性グループのほかに、ここ数年であっという間に20~30代女性たちが増えた。その世代の男性を見かけることは少なかったものだが、これも少しずつ増えている。

確かに、舞台を見ると、知らない顔の役者、衣裳も様々、鬘もいろいろ、セリフは難しそうだし、ストーリーが分からなくなったり・・・と初めてならではの疑問が湧いてくるはず。でもそれは、例えば初めて何かのスポーツにトライするとき、ルールを知ったり、体を慣らしたりするのと同じ事と思えばいいかも。スポーツと比べるのもどうかと思うが、初めはやっぱり何でもわからない事だらけ、という意味では同じ(?)。

歌舞伎に詳しい友達と行くのも楽しいけど、薀蓄きかされて「うっとうしいかも」と思うくらいなら、最初から一人でドーンと行ってみることをおすすめする。
「なんだ?あの衣裳」とか、「セリフが全然聞き取れないよー」とか、「ストーリーが繋がってないじゃないか?」とかいろいろな「??」を全身で感じるのが正解じゃないかと思う。無理したってしょうがない。その一方で、必ず、「え!この衣裳スゴすぎ」「きれいな肌じゃなあい?!、ちょっと」「あの三味線弾いてる人、凛々しい!」などという「!!」な面も間違いなく見えてくるはず。

??な、「分からない」ことはそのまま受け止め、「きたきたきたー!」と気持ちと肌とでプラスに反応した面を大事に持って帰る・・・(まさに自然体)これが初めての歌舞伎の正しい楽しみ方なのだ!(ほんとか)。
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