歌舞伎/歌舞伎関連情報

「改めてスゴい傑作だと実感した」 6年ぶりアマデウス市川染五郎

歌舞伎に現代劇に映画に。市川染五郎さんの活躍ぶりに目が離せない。1981年トニー賞を受賞したP.シェファーの話題作『アマデウス』。日本では初演以来22年目、今回6年ぶりの上演だ。

執筆者:五十川 晶子

文章:五十川 晶子(All About「歌舞伎」旧ガイド)
歌舞伎に現代劇に映画に。市川染五郎さんの活躍ぶりに目が離せない。5月にはあのストレート・プレイの傑作『アマデウス』が上演される。染五郎さんは天才作曲家モーツァルト役で出演する。『アマデウス』といえば映画でおなじみの方も多いだろう。幸四郎・染五郎親子ががっぷり組んで、この宿命の二人の男の宿命を見せてくれる。主なストーリーはココ

舞台は19世紀ウィーン。W・アマデウス・モーツァルト(染五郎)の才能に、嫉妬の炎燃やす宮廷作曲家サリエーリ(幸四郎)は、やがてモーツァルトの暗殺を計画するが・・。1981年トニー賞を受賞したP.シェファーの話題作『アマデウス』。日本では初演以来22年目、今回6年ぶりの上演だ。
観ている者を知らず知らず引き込む鮮烈なストーリー。その軸をなすのは、どこの世界にもある人間同士の嫉妬の物語だ。だがこの作品がそれにとどまらないのは、人間と人間、人間と神の関係を極限まで描ききっているからだろう。モーツァルトに嫉妬し苦しむサリエーリは、なんと神と対決をし、その結果モーツァルトはサリエーリの術中にはまりみじめな最期を迎える。実の父と息子ならではの、また役者同士ならではの対峙が、このドラマに相当のリアリティを与えている。そしてそれが『アマデウス』の最大の見どころのひとつともなっている。


パンクで生まれながらの天才モーツァルト
初日を10日余後に迎える稽古場にお邪魔した。
「かなり早いペースで段取りを押さえるところまできています。これから一つ一つキャラを掘り下げていくところです。今回のモーツァルトはちょっとパンクっぽい感じ。モーツァルトが下品な言葉を吐き散らすところがあるんですが、それさえも天才の表現の一つというか、しゃれた感覚に見えるようにしてみたいというのが演出(幸四郎)からの注文ですね」
基本的には上演に関する契約上、前回までの演出を踏襲しなければならないという。だがディテールにはかなり変化がありそうだ。
たとえば衣裳。クラシックの音楽家といえば典型的な白いカールの利いたかつらに、フリルひらひらの衣裳というのが定番。
「今回、衣裳もかなり変わりますよ。よりキャラを強調するものになるでしょうね」
パンクなモーツァルト、そして衣裳も変わるとなれば、これまた楽しみだ。
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