先日発表された納税額ランキングでも改めてその存在を確認させられた浜崎あゆみの心境を見せてくれる一冊がFREE&EASY別冊『浜崎共和国』(650円)だ。オフィシャルサイトのBBSの浜崎あゆみからのメッセージは12月25日以降更新されていないが、浜崎共和国ではその分、膨大で赤裸々なメッセージが語られている。浜崎あゆみの思想、作品、生活、恋愛などについて赤裸々に本人の口で語っている。写真中心ではなく活字中心であるところが面白い。いまや社会への影響も納税額もダントツとなった浜崎を知るためには欠かせない一冊だ。

プロローグには「この国に生まれたことになんの自信も持つことができない」「まさに我国は舵を失った船だ」「この世に生きていて何になろう」という百年戦争末期のフランスの世相を表した言葉を引用し、「戦後50年間をかけて構築してきた社会システムは全て崩壊しようとしている。

いま日本中から聞こえる声は、中世フランスの苦汁に満ちた叫び声に酷似している。常識の枠を越えた救世主が現れない限り、いまやこの国は救えない……」と浜崎とジャンヌダルクを重ねたメッセージ、写真が連ねてある。浜崎共和国は浜崎あゆみをジャンヌダルクに見立ててある。

浜崎あゆみが社会的に影響力を持つといわれるようになったのはアルバムセールスの記録だけではない。特に歌詞の部分に惹かれる人が多いのが特徴だ。一貫して作詞を手掛ける「アーティスト浜崎あゆみ」のメッセージ、詩の部分に惹かれた人間が大勢いる。本書では、そんな浜崎ファンが知りたい浜崎あゆみから放たれるメッセージ、言葉が活字となって溢れ出している。

浜崎共和国は対談形式と49の質問と写真という形で構成されており、本人の言葉で語られているのが特徴。おそらく、ここまで赤裸々に、大量に「浜崎あゆみ」の会話が掲載された媒体は無かったのではないかと思う。

中学生時代にヤンキーファッションにとりつかれ、セーラー服のエリのラインを抜いたり、高校の入試はすべて面接段階で落とされてしまったなどの学生時代のネタや、クリエイターとしての仕事に対する考え方、小さい頃のトラウマで家族もののドラマや映画が苦手、そこから派生する結婚についての考え方、死についてなどがディレクター小野里氏との会話形式のインタビューで綴られる。

年末のカウントダウンライブでの発言問題についてもコメントを残している。騒動自体の勘違いも然ることながら、一部ワイドショーが「この騒ぎは浜崎さんと交際している男性ファンのファンが引き起こした」という勝手な解釈をしたことには怒り心頭で謝罪するとすれば勝手な解釈でターゲットにされた人たちだと。

これらのインタビューに要した時間は10時間。都合4回に分けてのロングインタビューとなっている。Q&Aでは貯金はいっぱいあるの? 孤独ですか? 自殺を考えたことは?結婚て何? あゆにとって男とは? 洋服代は? などなど興味深い質問が用意され、浜崎が真摯に答えている。映画のクランクインやレギュラーテレビ番組を匂わせる答えもあって、これも実現すれば話題を呼ぶことは間違いない。

また巻末のDIRECTORのコメントには、編集長小野里氏がテープ起こし(録音したテープを原稿に仕上げる)を副編集長に任せようとしたところ、浜崎本人からニュアンスの取り違いが無いようにインタビューを行った小野里氏本人に執筆して欲しいという要望があったという。

北野 武や桑田佳祐、矢沢永吉などのビッグなアーチストの時と同じ方法で問題がなかったにも関わらず、浜崎の場合はそうはいかなかったというエピソードも書かれている。浜崎あゆみがいかにメッセージを発することに対して配慮し、言葉を選んでいるかがわかるエピソードだ。そんな浜崎あゆみ本人の念入りなチェックが入った文章は必見。

FREE&EASY 浜崎共和国

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