66年組みと78年組みを比較すると如実に表れてくるのが、当時のアイドル文化の背景だ。66年組みはアイドル文化を引っ張りつつ、その個性が現在でも大きな武器になっているのに対して78年組みは専門性を今後も厳しく要求される世代になりそうだ。
66年組みのアイドル当時は歌番組にアイドルが出演し、そのCDが売れる時代でもあった。小泉今日子「私の16才」、斉藤由貴「卒業」、おにゃん子クラブ「セーラー服を脱がさないで」など歌番組を通してお茶の間に露出する。ラジオのリクエスト番組の上位に斎藤由貴や小泉今日子が、ガンガン入ってくる。
“アイドル=歌”という王道が存在しえた時代であったのだが、現在ではどちらかと言えばドラマ主体での売り出しが目立つ。現在のテレビ番組の構成上、歌という選択肢がとれない時代なのであろう。またバラエティはジャニーズ軍門に封じられているため女性アイドルの活発な活用は難しい。
俳優・女優は作品(脚本)を仕上げるためのパーツとしての職業であって、アイドルはその名が表すように「キング(王様)・クィーン(女王)」でなくてはならない。
“歌”という選択肢は決して時代遅れではない。パーツとしての職業を選ぶのか、“アイドル”という絶対的な地位を選ぶことができるのかは、テレビ番組を中心に環境の整備が重要となる。
年度は異なるが現在でもモーニング娘。、松浦亜弥などは歌を主体としたアイドルとしての売り出しに成功している。テレビ東『asayan』や、つんく♂が果たした役割は大きいし、今後も歌とアイドルを融合させた演出をしてゆくために欠かせない一人であることに間違いはない。
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