衝撃のラスト映画には二つのタイプがある
『ミスト』(C)2007 The Weinstein Company |
この種類の映画は、ラストが一番の見どころです。見終わった後には、めまいがするほど鮮やかに騙してくれる映画も有名。大仕掛けなものも、そうでないものもありますが、このタイプを便宜上Bタイプの映画と呼んでみます。
もうひとつのタイプ(便宜上Aタイプと呼びたい)は、オーソドックスで、ストーリーもほぼ直線的。仕掛けも騙しもないのに予想を超える衝撃のラストにおののいてしまうもの。
予想を覆されるため、衝撃が大きいのです。むしろ仕掛けがある映画より記憶に残ることもあるはずです。
衝撃のラストAタイプはミステリーとは限らない
(C)2007 TWENTIETH CENTURY FOX 2008年6月14日シャンテ シネほか全国ロードショー |
現在公開中の『ミスト』も衝撃のラストAタイプの映画。見た人誰もが予想できないため、ラストの大きな衝撃に驚かされます。Aタイプの映画は、普通の映画と作りが同じために、例え事前に知っていたとしても、待ち構えることもできません。
全く違うジャンルの映画ですが、6月14日から公開の『JUNO/ジュノ』も、ラストが予測できないという面で衝撃のラストAタイプに分類できるのではないでしょうか?
アカデミー賞4部門ノミネート、脚本賞受賞の『JUNO/ジュノ』は、全米で一億4千万ドルを超える大きなサプライズヒットとなりました。ラストは予想できないという意味でかなり衝撃ですが、会話や心理の動きなど、そこに至るストーリー展開がメインです。
衝撃のラストとはいえ、ソフトランディングな部分もあるので、衝撃とは違う余韻も楽しめます。それでも一度見たら忘れられないのは確か。衝撃のラストAタイプの映画は、どんでん返しのBタイプ以上に深い味わいがあるのです。
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