第三位 エリートハンティングの衝撃
『ホステル2』
(c)2007 Screen Gems, Inc./Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved. |
前作では、ヨーロッパを旅行中の享楽的なバックパッカーの男性たちが、あるホステルに泊まったことで、エリートハンティングの標的になりましたが、今回巻き込まれるのは女性たち。軽いタイプの女性ではなく、美しく教養もあり、強さも兼ね備えている女性なのが特徴。
単に被害者を女性にしただけでは興味を惹きませんが、今回のストーリーでは、どんな人々がエリートハンティングに参加しているのか、仕組みはどうなっているのか、話は壮大に広がり、別の側面からも話を描いているところに面白さがあります。
今度の標的は若くて美しい3人の女性。(c)2007 Screen Gems, Inc./Lions Gate Films Inc. All Rights Reserved. |
この作品の怖さは、絶叫場面だけでなく、もしかしたら、本当にどこかでエリートハンティングが行われているのではないかと、思わずにいられないことです。
人間の抱える欲望にはきりがないこと、代わり映えしない日常から脱出するために、刺激を求め続ける私たちの本能を考えると、ありえない話だと切り捨てることが難しいのが、本当のところではないでしょうか?
第2位 美しさと愛と恐怖
『怪談』
(c)2007『怪談』製作委員会 |
どの女性の心もたちまち惹きつける美しい青年、新吉と、身持ちの堅い師匠という評判を持っていた豊志賀。評判を振り捨てるほど新吉を愛する豊志賀の気持ちは、憎しみに変わるほど強く激しく、二人の人生を狂わせていきます。
一流のスタッフを揃えただけあって、完成度も高く、映像美と恐怖とストーリーがバランス良く配置されています。恐怖表現は定番を避け、煽り的な描き方ではないので、ホラーファンの全てが、納得する怖さではないかもしれませんが、その表現方式には、心意気を感じます。
愛と恐怖が美しく完成度高く描かれている。(c)2007『怪談』製作委員会 |
見終わった後まで余韻が残る、恐怖映画の傑作といってもいい作品だと思います。日本映画の人気復活が話題に上っていますが、モダンホラーや、テレビドラマの映画化やアニメだけでなく、このような作品が作られることで、さらに個性的で豊かな作品群が日本映画に生まれることが、期待できるような気がします。
次ページでは、いよいよ第一位を発表します。