文章:オライカート 昌子(All About「人気映画・ヒット作」旧ガイド)
真っ盛りの夏に見たいのが、こわ~いホラー映画。新作映画の中から、見れば涼しくなれそうな5作品を選んでみました。ホラー作品は、刺激的な世界に私たちを引っ張り込んでくれる案内人として、平穏な生活に恐怖のスパイスを与えてくれると思いませんか?第五位 海の恐怖に凍えたい
『オープンウォーター2』
(C) ORANGE PICTURES/ SHOTGUN PICTURES/ PETER ROMMELPRODUCTIONS/UNIVERSUM FILM 2006 |
水に対する恐怖症がテーマになっているため、恐怖症気味な人は注意が必要です。今回は大海原に漂う人数が多いこともあって、大海原にたった二人で取り残される恐怖を単純に描いた、前作ほどの緊張感はありません。それでも、どうなるのかハラハラさせられるのは、大人数の人間を描いた面白さがあるため。
この作品はドイツの製作で、前作と直接的な関連はないのです。この実話の映画化を胸に秘めていた監督が、製作に乗り出したきっかけが、『オープンウォーター』の成功。海の恐怖を描く題材は同じでも、形は普通の続編とは大きく違っています。
恐怖に凍えるのは6人。(C) ORANGE PICTURES/ SHOTGUN PICTURES/ PETER ROMMELPRODUCTIONS/UNIVERSUM FILM 2006 |
それってコワイですよね。私たち誰もが起こしかねない(日頃起こしている)小さなミスが、楽しく過ごすはずだった海を凶器に変えてしまうんです。
わたしたちが普段安全に感じている日常のどこに危険が潜んでいるのか、どんなミスが悲惨を招くのか、ハッとさせられる作品ではないかと思います。
第四位 真昼に潜む恐怖
『ゴースト・ハウス』
7/21有楽町スバル座他公開 |
問題児の長女と、しゃべらない3歳の長男を持った家族が、シカゴから新天地を求め、ノース・ダコタの人里離れた農場にやってきます。そこで長女のジェスは、悪夢のような出来事に遭遇してしまいますが、両親は、彼女を理解しようとはしてくれません。
父はひまわりの栽培で成功するために農作業で精一杯、母は以前から長女と意思の疎通に問題を抱えているのです。10代のジェスは、家から逃げ出したくても逃げられない状況に。
幼い弟には、何かが見える。7/21有楽町スバル座他公開 |
この作品では、太陽が照り輝き、ヒマワリが咲き乱れる真昼の世界の背後の、光の届かない暗がりで起こる恐怖が描かれています。ゴーストは夜に現れるという、常識から離れて独特です。パン監督の実際に白昼にゴーストに遭遇した、実体験から生まれた発想だったそうです。
ジェスを演じるのは、『パニックルーム』でジョディ・フォスターの娘を演じたクリステン・スチュワート、父を演じるのは、『ザ・シークレットサービス』や『マグノリアの花たち』のディラン・マクダーモット。母を演じるのは、『カリートの道』でアル・パチーノの相手役を演じたペネローペ・アン・ミラー。この二人の配役は、映画ファンに格別に嬉しいものではないでしょうか?
次ページでは、3位と2位を発表します。