シンプルなのに新しい笑い
『人志松本のすべらない話』(アール・アンド・シー)出演:松本人志, 千原ジュニア 「其之参」まで全て爆発的売り上げのベストセラー |
ダウンタウンの松本人志を筆頭に、絶対にすべらない話を携えた芸人たちが、高級カジノをイメージしたフロアの中、サイコロを振って語り手を決定。数々のすべらない話が披露されるという極めてシンプルな構成。このシンプルさこそが大いに受けた理由なのかもしれません。
深夜の単発番組として地味にスタートしたこの番組が、なぜここまで支持される人気シリーズとなったのか。番組の変遷を追いながら探っていきたいと思います。
もともとの企画意図
第一回放送は、2004年12月28日。年末特番ながらも深夜の関東ローカルの枠でオンエアされたのは、このコンセプトが、若手(というかブレイクに至ってない中堅)ステップアップの場として生まれたからでしょう。出演者は松本に加えて、千原ジュニア(千原兄弟)、ほっしゃん。、宮川大輔、河本準一(次長課長)、佐田正樹(バッドボーイズ)というキャスティング。いま見れば人気者勢ぞろいといった感もあるものの、当時はそれほど全国的な知名度があるとは言いにくい顔ぶれでした。
しかし、この番組をキッカケにして多くの出演者達が注目度を飛躍的に高めたのは間違いないところ。ほっしゃん。は、翌年のR-1グランプリの優勝で、一躍ブレイクを果たし、次長課長も翌年「めちゃ×2イケてるッ!」の「笑わず嫌い王決定戦」に抜擢され、そこから順調にお茶の間の人気者へと駆け上がりました。
視聴者からの人気が高まるとともに、多くの業界関係者がチェックすることでステップアップに繋がったことが、この番組の大きな特徴と言えます。
次ページでは人気の秘密に迫ります。