中国/中国の観光・世界遺産

三国志遺跡を巡る旅(4ページ目)

三国志の日本での人気は圧倒的で、世代を超えて愛され続けています。一方、中国でも映画『レッドクリフ』が公開されてからは三国志が大ブーム! 三国志をテーマとした旅行が注目されています。今まさに、三国志遺跡の巡り時。書籍を手に、武将たちの軌跡をたどってみてはいかが?

鈴木 晶子

執筆者:鈴木 晶子

中国ガイド

陝西省

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陝西省の世界遺産・兵馬俑坑 (C)ToshioS

陝西省といえば、西安が観光地としてあまりにも有名。というのも、西安は古くは長安と呼ばれ、諸王朝の都として栄えてきた地だからです。三国時代も董卓が城を築いたり、魏の夏候淵が駐屯したりと重要地点であり続けました。しかし、こと三国志関係の遺跡となると、西安の西南部、漢中市、勉県、岐山県などに集中しています。

漢中市は周りを山に囲まれる水源豊富な盆地で、重要地点として、曹操と劉備が争ったり、諸葛孔明の北伐の基地となったり、そして「泣いて馬謖を斬る」の舞台になったところ。そこから西へ約50キロのところにある勉県に、北伐の総司令部が置かれました。また、岐山県には、諸葛孔明が陣没した五丈原があります。そんなことから、ここ陝西省も、山東省と並んで諸葛孔明に関する遺跡が少なくありません。ここでは諸葛亮ファン必見の「五丈原古戦場」と「勉県武侯祠」の2箇所をご紹介します!

陝西省1
諸葛孔明の最後の舞台「五丈原古戦場」

五丈原undefined(C)ふれあい中国

宿敵・魏との戦いのさなかに陣没した孔明を祀る諸葛亮廟 (C)ふれあい中国

蜀の軍師・諸葛孔明と魏の司馬懿が最後に戦った古戦場。圧倒的な国力を有す魏による持久戦法には、軍神といわれた諸葛孔明も太刀打ちできませんでした。いたずらに時間が消耗していく中で、諸葛孔明が病に倒れ帰らぬ人と……。蜀軍の中原回復という悲願の夢がここで絶たれたのです。

ここの見所はなんといっても五丈原諸葛亮廟(武候祠)。諸葛亮像はもちろん、楊儀、姜維、魏延といった武将像、その他、三国志の名場面を描いた壁画などが展示されています。

<DATA>
■五丈原諸葛亮廟
住所:陝西省宝鶏市岐山県五丈原鎮
TEL:0917-8778649
アクセス:北京上海から列車で「宝鶏駅」へ移動。市内の「宝鶏長途汽車站(宝鶏長距離バスターミナル)」で蔡家坡行きバスに乗る。蔡家坡に到着後、高店方面行きのバスに乗り換え、五丈原下で下車

陝西省2
勉県武侯祠

勉強undefined(C)ふれあい中国

勉県武侯祠。ここに孔明は北伐時に行轅府を置いていた (C)ふれあい中国

諸葛孔明死去の2年後、西暦263年に創建された最古の武侯祠。前記した成都武侯祠と比べれば、こちらはかなりこぢんまりとしていますが、諸葛亮像を奉った大殿のほか、李白や王安石などの石碑や、各地の武侯祠に関する資料が展示されていて、なかなかの見ごたえです。廟の門が北向きなのは、諸葛孔明の魏への執念を表している、と言われています。

勉県には他にも三国志関係の遺跡が山ほど! 劉備が曹操を破った記念すべき地「定軍山古戦場」、劉備が漢中王を宣言した地「漢中王設壇処」、劉備が漢中を攻める拠点とした「古陽平関」、馬超を祀った「馬超祠」と「馬超騎馬像」、「馬超墓」、諸葛孔明が読書をしていたとされる「諸葛亮読書台」、そして諸葛孔明が眠る「武侯墓」などなど。日程にゆとりを持って、じっくり観光したい場所です。

<DATA>
■勉県武侯祠
住所:陝西省漢中市勉県
TEL:0916-3296212
アクセス:北京上海から飛行機か列車で「西安」へ移動。西安駅で漢中行きの列車にのって漢中へ。漢中の「長征集団中心客運站(長征集団中心バスターミナル)」、または「漢中汽車站(漢中バスターミナル)」から勉県行きのバスに乗る

<三国志関連 その他の遺跡>
  • 唐の詩人李白“蜀道は天に登るより難し”と唱えた「褒斜道」(褒中県から眉県)
  • 諸葛孔明の第二北伐の舞台「大散関」(宝鶏市)
  • 蜀から魏に降った孟達の墓「孟達墓」(安康市)
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