相手役のひびき美都さんとも仲睦まじくって、お互いが信頼し合って、見ていて微笑ましい最高のコンビでした。
そして誰もが尊敬していました。
「大浦みずきさんに憧れて…」「大浦みずきさんのような舞台人になりたい…」と影響を与えられた生徒はどれほどいるでしょうか…?
また、下級生を上に引き上げて下さるお優しい方でした。
有名なのが『ザ・ゲーム』のフィナーレのパレード前の場面。なつめさんはちょこっと歌って引っ込み、その後はまだ研3や研2の生徒9名のダンス場面となりました。「下級生に踊らせてあげて欲しい」と頼んだのはなつめさん。その中には後にトップスターとなった香寿たつきさん、紫吹 淳さん、匠ひびきさん、姿月あさとさんらがいました。
私にもありました。大浦みずきさんのディナーショー。ひびき美都さんはじめ3名の娘役さんがコーラスとして出演予定でしたが、ある方が急病のため出演できなくなり、私に白羽の矢が飛んできました。演出の先生が「なつめに感謝しなさい。なつめが星子を…と」と。
でもなつめさんは「私が推薦したのよ」なんてことはひと言もおっしゃりません。そんな方なのです。
舞台人としても一人の人間としても、大きな大きな方でした。
とてもカッコイイ男役さんなのに、“なつめさん”より“なーちゃん”が似合う可愛い方でもありました。甘えたでシャイで淋しがり屋さん(ごめんなさい)。
大浦みずきさん主演の『タイム・アダージオ』というバウ作品が上京した際、東京にご実家があるにもかかわらず、東京すみれ会館に泊まられました。理由は「みんなといっしょにいたいから……」。
初めての寮生活。食堂でご飯を食べるのも、お風呂に入るのも、ちっちゃな子供のように楽しそうに過ごしていらっしゃいました。
また宴会の余興をなさったり、コーラスのユニットを作りライブをなさったりと、興味のあることはどんどん楽しんでしまう方でもありました。
大浦みずきさんの偉大さも思い出も、書き尽くせません…
みんな、なつめさんのことが大好きでした。
今も大好きです。ずっと大好きです。
同じ時を過ごせたこと、その大きな背中を見て過ごせたこと、その幸せはあまりにも大きくて、「ありがとうございました」なんて言葉が陳腐に思えます。
いつかこの日が来てしまうんだ……そう覚悟はしていたけれど……まだ信じられません。
この世になつめさんがいないなんて、そんなこと、何年たっても信じられません。
じゃ……信じなくてもいいですよね。
遠くに引越ししちゃって会えないだけ。なつめさん、また半月板を痛めちゃって舞台に立てないだけ。
なつめさん、また心配させてぇ~。なつめさんらしいわ…
だから。
皆様の心の中にも、私の心の中にも、大浦みずきはこれからもずっと輝いています。生きています。
8年前に大浦さんに関して作った記事です。