初舞台生の紹介で初めて『歌劇』に載った号に始まり、舞台写真に自分が写り込んでいたり、新人公演評に自分の名前を見つけたり、「楽屋日記」のネタにされたり……とうれしさを発見します。
稽古場の入り口や化粧前で、編集部のお姉さんに原稿を依頼されたり、ポートレート撮影の打ち合わせをしている上級生を見て「私にも早くあんな日が……」と思うものです。
そして、文章を書くのが得意とか不得意とかに関係なく(!)、突如やってくるのが「楽屋日記」への依頼。舞台袖でも楽屋でもネタ集めに必死。公演の最中に撮ってもらう写真は、初めて『歌劇』に載る大きくはっきりした扮装写真。締め切りとも格闘。
誰もがおそらくこの「楽屋日記」が、『歌劇』誌をいっしょに創る作業への初参加と言えるでしょう。
私事ですが……今こうして、書いたモノをとても多くの方々に読んでいただいていますが、その最初の一歩は『歌劇』の「楽屋日記」でしたね。
さてさて、生徒たちはやがて思うでしょう。「いつかは座談会メンバーに入りたい」「ポートレートに載りたい」「表紙を飾りたい」……。
『歌劇』は生徒に、大きく成長するための目標を具体化してくれる場でもあるのです。
編集者だけではなく、生徒もスタッフもファンの方々も参加して一冊を創りあげている『歌劇』誌。
時代に沿って新しいものを取り入れ、しかし大切なものは変えず……。
宝塚歌劇団と同じ思い、同じ足並みで1000号まで歩み続けて来られた道にいつもあったのは、作り手と読み手の温かさでしょう。
これからも魅力ある紙面を楽しみに。
『歌劇』は毎月5日発売!
大手書店、阪急ブックスなどで購入できます。
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