宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

花組トップスター・春野寿美礼―退団(2ページ目)

2007年12月24日―花組トップスター・春野寿美礼が『アデュー・マルセイユ』『ラブ・シンフォニー』千秋楽にて宝塚歌劇団を卒業しました。頂点に立つ者の気品と風格に溢れ、抜群の歌唱力を持ったトップスターでした。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

花組トップ時代

2002年 『あかねさす紫の花』中大兄皇子 *トップお披露目(博多座)
  『エリザベート』 トート *本公演トップお披露目
2003年 『不滅の棘』エリィ/エロール
  『野風の笛』花井主水正義雄
  『琥珀色の雨にぬれて』クロード
2004年 『天使の季節』ギスターブ/ペスカトーレ
  『ジャワの踊り子』アリ・アディナン  
  『La Esperanza』カルロス
  『天の鼓』井頭虹人
2005年 『マラケシュ・紅の墓標』リュドヴィーク
  『I Got Music』春野寿美礼コンサート
  『落葉のパレルモ』ヴィットリオ
2006年 『ベルサイユのばら』アンドレ(雪組公演特別出演)
  『Apartment Cinema』ウルフ
  『ファントム』ファントム
  『うたかたの恋』ルドルフ
2007年 『明智小五郎の事件簿ー黒蜥蜴』明智小五郎
  『源氏物語 あさきゆめみし』光源氏
  『アデュー・マルセイユ』ジェラール・クレマン


“春野寿美礼”を形容する言葉――
品格。凛。艶。神々しい。気高い。可愛い。嫋やか。
こぼれる笑顔。スミレの花。孤独と温かさの共存。
天鵞絨のようになめらかで光沢のある歌声。弛み無いスナイパー。


組替えの経験はなく、ずっと花組で過ごした花組っ子。
安寿ミラさん、真矢みきさん、愛華みれさんらのトップスターの元で育ちました。

下級生時代の花組には、元雪組トップ・朝海ひかるさん、月組トップ・瀬奈じゅんさん、雪組トップ・水 夏希さん、月組・霧矢大夢さんらがいて、いい意味でのライバル達と成長していった春野さん。
端正なルックスと気品ある存在感、そして抜群の歌唱力で頭角を現してきます。

バウホール公演初主演となった『冬物語』の富五郎。
慣れない日本物、コスチュームで誤魔化すことのできない江戸の世話物。仮名手本忠臣蔵の劇中劇もあるハードルの高い作品で、初主演とは思えない実力を発揮。二幕で演じた遊女・十六夜の艶姿、高音の歌も評判となりました。

翌年、明るく爽やかな青年の役から一変した『源氏物語 あさきゆめみし』の刻の霊を演じます。
妖艶でミステリアスで凄みのあるこの役の評価が、後の『エリザベート』、『不滅の棘』、『ファントム』などの当り役の誕生につながったと言えるでしょう。

2002年の『琥珀色の雨にぬれて』。この作品はトップ・匠ひびきさんのお披露目かつサヨナラ公演でしたが、次期トップに内定していた二番手の春野さんに大きな出来事が…。匠さんが病気休演のため、東京公演では主役のクロードを、そしてショーのほとんどの主役のポジションを代役することとなりました。

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