宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

宙組トップ・貴城けい、紫城るい―退団(4ページ目)

2007年2月12日――宙組トップスターコンビ・貴城けいさんと紫城るいさんが宝塚歌劇団を卒業しました。短い年月の中、華やかに美しく満開に咲いた素敵なトップコンビでした。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

宙組時代(2005年~2007年)

2005年 炎にくちづけを』イネス
2006年 『不滅の恋人たちへ』ジョルジュ・サンド
  『NEVER SAY GOODBYE』エレン・パーカー
  『コパカバーナ』ローラ/サマンサ
  貴城けいコンサート『I have a dream』
  『維新回天・竜馬伝!』お竜



可憐でキュートで艶やかで華やかでチャーミング。
るいちゃんの舞台姿から「以前は男役だった」とは想像もつきません。

男役から娘役に転向し、やがてトップ娘役になった生徒は、過去に、遥くららさん、姿 晴香さん、若葉ひろみさん、鮎ゆうきさんらがいます。
紫城さんは、2002年『ガイズ&ドールズ』の新人公演でアデレイドを演じたのをきっかけに、娘役に転向しました。

と言っても、男役時代にも娘役を何度も与えられていた紫城さん。
『BLUE MOON BLUE』(ベル)『LUNA』(イレーネ)では、当時のトップスター、真琴つばささんに絡む役に大抜擢されています。


男役から転向した生徒がまず苦労する点は、歌でのキーの違い。しかし彼女は高音もきれいに出せる声の持ち主。
男役時代に娘役を与えられたのも、転向してからも全く違和感なく娘役として飛躍できたのも、ソプラノが出せる声の力が大きかったと言えるでしょう。

台詞を話す声はとても個性的。メリハリ良く、役の人物の個性を豊かに表現しました。


また男役の経験と、彼女ならではの旨味が相まって、観る者に強く印象を与える魅力的な役を次々と演じました。

『愛しき人よ』の川島芳子。
『不滅の恋人たちへ』のジョルジュ・サンド。
『THE LAST PARTY』ゼルダ。
『NEVER SAY GOODBYE』のエレン・パーカー……。


最後の役となった『維新回天・竜馬伝!』のお竜。
恥ずかしがったり、やきもちを焼いたり。怒ったり泣いたり笑ったり……。
それは、一途に竜馬を想う、いじらしいほどに可愛い女性でした。

万華鏡のように、角度を変えたいろいろな表情を見せてくれ、それが驚きであり、楽しみでもありました。
しかし紫城さんも貴城さんと同じく、お披露目公演がサヨナラ公演となってしまいました。

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