これであなたもピラミッド通――裏三大ピラミッド
古王国時代、エジプトでは100基近いピラミッドが建築されたといわれており、いまでもそのいくつかを見ることができる。サッカーラやダハシュールで砂漠を眺めると、あっちこっちにピラミッドが見える。ギザに劣らぬ壮大な景色だ。ここでは代表的な3つのピラミッドを裏三大ピラミッドとして紹介しよう。階段ピラミッド。ピラミッドの父といわれるイムヘテプによる設計 ©牧哲雄
エジプト最古のピラミッドといわれており、紀元前2600年前後のもの。もともとはマスタバと呼ばれる日干しレンガ製の四角形の建築物だったが、これを増築に増築を重ね、階段状に積み重ねたらしい。これが洗練されてピラミッドになったという説もある。サッカーラには他にウナス王のピラミッド、テティ王のピラミッドなどがある。
屈折ピラミッド。白い石灰岩がまだ多く残っている珍しいピラミッド ©牧哲雄
紀元前2500年前後のもの。途中45m前後の地点まで54度の傾斜だが、それ以上は43度と緩やかになっている。なぜ傾斜が変化しているのかについては、「最初からこの設計だった」とも「建築途中で王が病気にかかったため完成を急いだ」ともいわれているが、わかっていない。近くに白のピラミッド、黒のピラミッドもある。
赤のピラミッド。こちらもスネフェル王による建造 ©牧哲雄
正確な四角錐をした最初の真正ピラミッドだといわれている。赤みを帯びた石材を使用しているため、角度によって赤く見える。スネフェル王が造ったものだが、スネフェル王は5基以上のピラミッドを建造したことがわかっている。もしピラミッドが墓ならひとつでいいわけで、ピラミッドは王墓ではないとする説の根拠にもなっている。