【72号 2002年7月26日発行】
■退団者 千秋楽のお手伝い
よく「退団する〇〇さんの千秋楽に、同期の人がお手伝いに来たそうね。」なんていう会話を耳にしませんか?
そうなんです。退団する時には必ず、同期生がお手伝いに来るのです。どんなことをするのか、お話しましょう。
千秋楽という日は、たとえ退団しなくても、生徒さんにはやることが多いのです。
例えば、もう使わない衣装、靴、小道具を、担当の場所(衣装部さんとか)に返したり、終演後は化粧前の荷物を行李に詰めたり、持って帰るものを片付けたり。
開演前には千秋楽のご挨拶もあるし。つまり、バタバタしてるんですね。
退団する人は、やはり最後の舞台に専念したい。だからこういった後片付けを、お手伝いに来てくれた同期生が、本人の替わりにやってくれるのです。ご挨拶は本人じゃないとダメですけど。
他にもお手伝いの人の中にはカメラ班がいたりして、退団する生徒のそばにずっとくっ付いて、開演直前に舞台で撮影をしてあげたり、出番ごとの衣装の写真を撮ってあげたり。
また、退団する人は衣装にお花が付いていたりするでしょ? 衣装部さんといっしょにそれを付けてあげたり、出番が終われば、それを取ってあげたり。髪にお花を付けてあげたりも。
お花の差し入れがOKの宝塚大劇場では、退団だからと通常よりもたくさんお花が差し入れされます。そのお花の番をしたり、それを仕分けしたり。またファンの人との連絡係りをしたり。
つまり、退団する生徒が知らないところでも働いているわけです。「最後だね~」「頑張ってね~」とお祭り気分で楽屋に遊びに来るのではなくね。メチャクチャ黒子に徹します。