新聞やテレビでご覧になった方も多いことでしょう。毎年3月1日、またはそれに近い日に、宝塚音楽学校の卒業式が行なわれます。

卒業生である本科生たちの服装は、グレーの制服ではなく、黒紋付に緑の袴という正装。
この袴は、宝塚歌劇団に入団してからも着用しますが、袴のリボンの先に校章を付けるのは、これが最後です。

宝塚音楽学校

宝塚音楽学校

規律や礼儀作法の厳しい宝塚音楽学校の卒業式ですから、それはそれは規律正しく、ひとつのステージのように進行されてゆきます。そのため、卒業式のリハーサルが、予科生も含め綿密に行なわれます。
卒業証書をもらうだけでも、ここで返事をしお辞儀をし、卒業証書はこうやってもらい、それを閉じ左脇に抱え……。歩く時も直角に歩き、もちろん常に背筋を伸ばし……。すべてが決まりごと。ピーンとした空気が張り詰めています。

列席者の中には宝塚歌劇団理事長をはじめとする関係者、また報道関係者も多数入っているため「タカラジェンヌ一年生」の顔をしていなければならないし、だけど親の顔が目に入れば、娘の顔に戻ってしまい……。だから普通の学生のように、思いっきり卒業式を満喫することはできません。学校の卒業式ですが、羽目を外すことは出来ない、その後友達や家族とパーティーをすることもない。宝塚音楽学校の生徒は入学した時から、学生ではなく舞台人ということなのでしょう。