宝塚ファン/宝塚歌劇の舞台とバックステージ

舞台機構Part2 恐怖の「大階段」!(3ページ目)

宝塚歌劇に古くから伝わる恐ろしき怪談物語――。宝塚のシンボル・大階段は、こ~んなに怖い代物なのです。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

さて――大階段を使う場面のお稽古はどうやって行われるのか……? 稽古場に大階段はありませんからね。


フィナーレのパレード

生徒さんみんな、何食わぬ顔をして下りてきますが、もちろんすべて決められたカウントがあります。歌のどの部分で下り始め、どの部分で本舞台に到着し、2小節で舞台全面に進み、どの部分で挨拶の振りをするか……。これはすべて、稽古場での振り付けの際に振り付けの先生が指示します。

稽古場に大階段はないから、大階段を降りているつもりで。稽古場では26段分、その場で足踏みしています。


大階段でのダンス

大階段なしで大階段でのダンスの振りの稽古、これは思いっきりタイヘンです。「ここで3段上がり、そしてこの振りで2段下りて……」という振り付けの先生の指示を、舞台で稽古する時まで、とにかく覚えていなければなりません。

また稽古場では簡単にできた振りも、大階段上では上手くいかない時もあります。これも当たり前。バランスが違いますから。稽古場では振りをきっちりと、大階段での稽古では大階段に慣れる稽古というわけです。


平場である本舞台上でも、一度失敗した振りなんかがあると、次回それを踊るのが怖くなります。それが大階段ではなおさら。“上手くできるだろうか…?”より“落ちないだろうか…?”と思ってしまうんですね。

今でも観劇する度、大階段の場面になるとドキドキします。あんなすごいお衣装で大丈夫~?なんて思っちゃってね。

でも大階段は宝塚の華やかさを存分に引き出してくれる舞台機構であり演出方法。どうか生徒さんが怪我をしないよう祈るばかりです。



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