ノルさんこと稔 幸さんのことを人はこう呼びます。<白いプリンス><プリンス・ノル>。そのノルさんが“白バラの人”と形容される『ベルサイユのばら』のオスカル役で、16年間の宝塚舞台生活に幕を下ろしました。共にたくさんの名場面を残してくれた相手役・ゆりちゃんこと星奈優里さんも、マリー・アントワネット役で退団されました。
もちろんチケットは完売。わずか30席の当日券に約1,100人ものファンの方が並びました。またチケットが手に入らなかった、宝塚までどうしても行けないファンの方々のために、東京・札幌・横浜・名古屋・福岡のホールで、稔さんのビデオ上映とサヨナラショーの生中継が行われました。
ノルさんの最後の楽屋入りの服装は白いプリンスにふさわしくブーツに至るまで全身真っ白。花輪を頭に付けたゆりちゃんを先頭に、朋 舞花さん、久城 彬さんら退団者の方々。星組の仲間たちが引く白い車にてプリンス登場。東京公演千秋楽の時のように本当の白馬は出現しなかったものの、ファンの方々をいつも大切にしたノルさんは手を振りながら笑顔で楽屋へと入ってゆきました。
『ベルサイユのばら』に続きサヨナラショー。黒燕尾服で退団の挨拶をし、モニュメントの手形を取った後、黒紋付と緑の袴姿でファミリーランド内をパレードし、ファンの方々に別れを告げました。
稔さんは7月に退団された元月組トップスター真琴つばささん、花組トップスター愛華みれさん、雪組トップスター轟 悠さんらと同期生。
1985年花組公演『愛あれば命は永遠に』で初舞台。初舞台後星組に配属。当時のトップスターは峰さを理さん。その後、日向 薫さん、紫苑ゆうさん、麻路さきさんらのトップのもとで育った。一度も組替え経験なしの生粋の星組っ子。
歌・ダンス・芝居……何でもござれの実力派。
1990年『メイフラワー』新人公演初主役(本役:日向 薫さん)。
1993年バウホール公演『サタディナイト・ロマンス』で初主演。
やがて1999年『WEST SIDE STORY』で星組トップスターの座に。