ここでは、半蔵門にある「エノテカ ドォーロ」の二本松店長のインタビューもあわせて、カジュアルなトラットリアでのマナーと、そして楽しく美味しく召し上がるポイントをお伝えします。
ピザの食べ方のマナー
トッピングやチーズが落ちそうな場合は、少々折って持ち上げます
「冷めないうちに美味しく召し上がって頂くと、こちらとしても嬉しいです」と二本松店長。ピザが運ばれたら、お話は一旦ストップしてでもすぐに頂きましょう!
「ピザはカジュアルな食べ物ですが、せっかくですから現地にならい、ナイフとフォークで召し上がってみてください」と二本松店長。切り方はピザの中心から円の端に向け、小さな二等辺三角形をつくるイメージでナイフを入れます。この二等辺三角形を、さらに頂点の先端部分と残りの台形に切り分けたら、先端部分からいただきましょう。
■手で頂く場合は?
出来立てのピザはとても熱いので、イタリアでは手で食べるということはあまりありませんが、ナイフやフォークがどうも苦手という人は手で食べてもOK。ただし、手でもフォークでも素早く! が大切。
これは美味しく作って下さり、すぐに運んで下さったお店側へのマナーでもありますね (参考:「寿司屋のマナー」)。
パスタの食べ方のマナー
「デートの時、スパゲティはちょっと…… 」とよく言われるように、フォークに適量を巻きつけるのが難しかったり、ソースが飛びやすかったりと、ロングパスタを敬遠する女性は少なくないようです。一緒に召し上がる方とのご関係や、おつき合いの長さ、その日に着ている服の素材や色などを考慮してオーダーしましょう。ピザと同様、アルデンテに茹でられたパスタは、時間を置かず美味しいうちに召し上がって頂きたいものです。
■食べやすいパスタ
ペンネやフジッリ、ファルファッレ、リガーテなどのショートパスタ、そしてラザニアやカネロニもパスタの中では食べやすい部類ですね。ロングパスタであれば、平たいフェットチーネやタリアッテレ、リングイネなどは、比較的フォークに巻きやすいでしょう。
■食べやすいソース
飛び散りにくいのは、ややこってりしたクリームタイプのソース。フォークにもよく絡んでくれます。逆にサラッとしたタイプのトマトソースやオイルタイプは、ツルツルと滑りやすくなります。
巻きつけた後、丁度よい量になるように……
ロングパスタの場合、まず最初は少量をフォークに刺してください。ここで多めに刺して巻き始めてしまうと、かなりの量になり一口で食べられず、お行儀よく見えなくなりますよ。
■スプーンの使い方
「ロングパスタにスプーンは使わない」のが定着して久しくなりますね。リストランテはもちろん、トラットリアでもスプーンが出ることはあまりないですが、二本松店長曰く「スプーンがあった方が食べやすいということで、イタリアではリストランテでもスプーンを出す所が出てきました」とのこと!
ただし、現在の日本ではそれとは逆の方向に動いているので、お店のランクや周りの空気をよく考えて、スプーンをチョイスなさってみてください。
お店とのコミュニケーションを大切に
温かいお料理はほとんどそうなのですが、特にビザやパスタはアツアツをスピーディに頂きたいものです。でも、急ぎ過ぎるのはNG。「すぐにお店を出なければならないのかも?」と思ってしまいますよね。こちらについても二本松店長から良いお話を伺いました。
お料理をオーダーする際に、「観劇の時間があるので早めに持って来て下さい」「ゆっくりめに持って来て下さい」と伝えておくと、ビザやパスタはスピーディに召し上がっても、次のお料理への「間」をちゃんと調節して下さるとのこと。
このようにお店とのコミュニケーションが上手に取れると、ゆっくり話をしたい時も、時間内で急いで召し上がりたい時も「良いお食事」ができるでしょう!
リストランテでのマナーは、フレンチマナーとほとんど変わりませんので「洋食・フランス料理の食べ方マナー」をご参考になさってください。
取材協力:エノテカドォーロ