相手によってポイントは違うそもそもの出会いが酔っぱらいにからまれたところを勇気をだして助けたことです。また「サーフィンが得意」ということよりも、努力したけどやっぱりできないことを正直に告白したことで好感度をアップします。またストーカーにねらわれているエルメスを助けようと努力します。エルメスは既婚の男に未婚だとだまされてつきあっていたり、母が父の嘘に苦しめられていたことから「嘘をつかれる」ことがトラウマになっているため、そういう電車男の正直で一生懸命なところにひかれたのです。だから仕事だと嘘をついてコミケにいかれたことがガマンできなかったのですが、正直にオタクであることをカミングアウトしたことにより、それも許しました。長所をのばせ正直で誠実、他人をおもいやるというのは電車男・山田剛司が元からあった長所であり、それがエルメスと交際するうちに自然に伸ばされたものです。女性が好きな男性のイメージというとスポーツができて外向的ではなしがおもしろくて、というのが一般的なところ。男性としてもそういうわかりやすい「技」を持つことを目指しがちです。しかし、それは付け焼き刃で無理があります。そうではなく、自分が本来もっているいいところ、得意なことをのばすことこそ自分の魅力を増すことだと思います。『電車男』以前のさえない男と高嶺の花のヒロインによるラブストーリーの代表作『101回目のプロポーズ』もそうでした。達郎(武田鉄矢)は薫(浅野温子)のためにピアノを弾けるようになったり、弁護士をめざしたりします。しかし最終的に結ばれたのはそんな努力がすべて無になって「ぼくにはもう何もありませんよ」という状態になってからでした。女性の場合はというのが男性からアプローチする場合。女性の場合はどうなのか?たぶん同じようなことがいえると思うんですが、それを教えてくれるようなドラマが思いつきませんでした。なぜ思いつかないか?おそらく男性が好きそうな女性のイメージというと、やさしくて、ほめてくれて、いうことを聞いてくれて……で、それをドラマの中で実践すると『東京ラブストーリー』のさとみ(有森也美)になってしまい、「やな女」と女性の視聴者から嫌われて、主人公のライバルにしかならないからではないかと。(そして「天然」でそういう女性だとエルメス・青山沙織になってしまいます)前のページへ123次のページへ