絵本/絵本関連情報

99人の絵を堪能!ボローニャ国際絵本原画展(2ページ目)

ボローニャでは、毎年3月の児童書国際見本市の一環で原画コンクールが開催されます。2,598人の応募の中から選ばれた99作家の原画展が今年も日本で巡回を始めました。板橋区立美術館に行ってみましょう!

執筆者:鈴木 宏枝

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「Annual 2008 Bologna・Illustrators of Children's Books」
Annual 2008 Bologna・Illustrators of Children's Booksアイナール・トゥルコウスキィ(ドイツ)2007年度ブラティスラヴァ世界絵本原画展グランプリ受賞者。

『Annual 2008 Bologna・Illustrators of Children's Books』(原画展のカタログ)の表紙を飾るのは、ドイツ出身のアイナール・トゥルコウスキィさんの作品です。『アニュアル』の表紙は、ブラティスラヴァ世界絵本原画展のグランプリ受賞者と国際アンデルセン賞の画家賞受賞者(いずれの賞も隔年の授与)に交互に依頼されるそうです。2007年度グランプリのトゥルコウスキィが美術用の芯ホルダー一本で描いた精密な世界に、初めて見た編集者はノックアウトされたとか。ハンブルグ応用科学大学の卒業制作に提出された作品は、「最高点以上の出来」だったと教授陣に評価されました。

『まっくら、奇妙にしずか』

『まっくら、奇妙にしずか』
正体不明の男は雲を釣って魚を得ます。大学の卒業制作から生まれました。ここで購入!
数年間を費やして完成した『まっくら、奇妙にしずか』は、皮肉とメタファーに満ち、雲を釣っておいしい魚など素敵なものを獲る、正体不明の男に対して、共同体が疑心暗鬼になっていきます。主役である奇妙な男のほほえみと、ひょうひょうとした様子に、この奇妙な場所がすぐそばにあるかもしれないとも思わされます。

■『まっくら、奇妙にしずか』
作:アイナール・トゥルコウスキィ
訳:鈴木仁子
出版社:河出書房新社
出版年:2005/2008.7
価格:1,680円(税込)


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