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梅雨の季節にこそ美しいアジサイ。アジサイを見ながら絵本を読む、花見絵本なんていかがでしょう? | 雨の日は憂鬱ですか? いえいえ、雨の日ならではのお楽しみもたくさんあります。雨の日のピクニックも愉快だし、雨の日だからこそ傘を持ってのお迎えが特別な時間になります。あるいは、小さな雨粒の長い長い旅路に思いをはせてみるのもいいですね。「雨」がテーマの絵本の中に、遊びのヒントを探してみませんか?
1ページ目:雨の日のお楽しみ
『くまのアーネストおじさん あめのひのピクニック』『かさ』
2ページ目:雨の降る町
『雨あめ』『ふれ、ふれ、あめ!』
3ページ目:降った雨はどこへ?
『あめのひ』『あまつぶぽとりすぷらっしゅ』
どしゃぶりの中でピクニック『くまのアーネストおじさん あめのひのピクニック』
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ここで購入!せっかくピクニックの用意をしたのに外はどしゃぶり。嘆き悲しむセレスティーヌのために、アーネストおじさんは一計を案じます。 | 明日はピクニック。セレスティーヌとアーネストおじさんは、サンドイッチの用意をし、バッグに荷物をつめて眠ります。ところが、翌朝目が覚めてみると、外はどしゃぶりでした。納得できないセレスティーヌの落胆ぶりに、アーネストおじさんは一計を案じます。
「そうだ。こうしようよ、セレスティーヌ。ふたりとも、きょうはとてもいいてんきだっていうつもりになるのさ」「それでピクニックにでかけるのね、わたしたち」
人気のアーネストおじさんのシリーズです。小さなネズミの女の子のセレスティーヌにめっぽう弱い、クマのアーネストおじさん。大きな傘を差し、広い原っぱにやってきて、雨をものともせずにテントを広げ、サンドイッチをぱくつきます。雨の日のピクニック! 憧れのイベントですね。晴れた日とはまた違った非日常感があり、子どもを楽しませたい大人のユーモアがあふれています。素敵なオチもつき、読者もみんな幸せな気持ちになれます。
■『くまのアーネストおじさん あめのひのピクニック』
さく:ガブリエル・バンサン
やく:もりひさし
出版社:ブック・ローン出版
税込:\1,365
発行日:1982/1983.5
赤い傘でお父さんのお迎えに『かさ』
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ここで購入!雨降りの夕方、女の子は赤い傘を差して、駅までお父さんのお迎えに行きます。 | 雨降りの夕方、女の子が傘を持って、駅までお父さんのお迎えに行きます。公園の横を通り、ドーナツ屋でしばし見とれ、親子の鴨を見たり、お友達に会ったり。広い町をゆっくり、とことこと歩いていく女の子の軌跡は、モノトーンの中でそこだけあかく輝く小さな傘で表されています。
女の子の普段の行動範囲と興味の対象がよく分かります。頑張ってお迎えに行った後のご褒美は格別だったでしょう。携帯電話全盛の現代は、朝、お父さんが傘を持っていったかを覚えておいて、ちょうどいい時間に「そろそろ駅までお迎えに行ってらっしゃい」と子どもを送り出すことはもはやノスタルジーでしょう。急な雨でも、安い傘がどこでも売られていますし、子どもを一人で夕方に出して、大きな通りを越えて駅まで行かせることもためらわれます。
発行は1975年。ちょうど今の親世代が子どもの時分です。親はのんびりした、子どもの側からの「お迎え」を自分の経験と重ねあわせ、子どもは雨の日の小さな冒険と、町並みの楽しさを自分の言葉で語るかもしれません。こちらも絵だけの絵本です。親子で読みあうお話は、きっとどんどんふくらんでいきます。
■『かさ』
作・絵:太田大八
出版社:文研出版
税込:\1,155
発行日:1975.6
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