子育て/子育て関連情報

ガストロノミストに教わる品格ある食育(2ページ目)

最近、いろんなところで「品格」という言葉を耳にしますね。基本法制定から4年。そろそろ「食育」にも品格という観点からのアプローチがあってもいいのではないでしょうか?

執筆者:飯野 耀子

常識には文化背景がある

食の情報不足といえば昨今、話題になっている安全性に関わる話だけではありません。カタカナ英語のように日本では常識となっている洋の文化が世界では存在しなかったり、まったくの非常識だったりという話はよくあること。ただ鈴木先生はそういったことも背景にある文化や嗜好を踏まえて考えるということが大切なのであって、優劣をつけることではないのではないかとおっしゃいます。

「例えば日本人が大好きなショートケーキ。ケーキといえば外国からの輸入文化なわけだけど、ケーキの本場フランスからすると日本のショートケーキのスポンジというのは間違った存在。フランスからすると卵が多すぎるということになるんです。ではなぜ、日本のスポンジは卵が多いのか?それは日本人が卵の好きな国民だからなんです。そうなると好きか嫌いの問題だからいいか、悪いかということではないでしょ?ただどうしてか?ということを知っていることがとても大事になってくるんですよ。」

なるほど。確かにフランスには日本で売られているショートケーキがないという話を知っているのと、知っていないのではケーキを食べる時の楽しさが違いますよね。お菓子についてはこの日、もうひとつ鈴木先生から面白い話を教えていただいたのですがポルトガルから伝わったといわれているカステラ。実は本国には日本で食べられているカステラは存在しないのだとか。私もこれにはびっくりだったのですが、普段何気なく食べている外国由来の食についていろいろとお子さんと知ってみるのもすばらしい食育ですよ。

グレーゾーンを持った食育

ところで日本人というと白黒はっきりせずに、ファジーをよしとする国民性であるといわれていますね。鈴木先生は日本人にはこの特性をいかした食育があっているのではないかとおっしゃいます。

「食というのは人類最古の芸術といわれていて、それが育った文化の延長上にある。だから日本というファジーをよしとする文化の延長線上にある食というのもファジーなんですよ。それを無理に白黒はっきりさせようとすると、優劣をつけることになってします。しかし僕はそれについてはやめてもらいたいと思っているんですよね。なぜかといえば優劣をつける問題ではないし、作り手にも失礼ですよね?それであれば日本にはグレーを愛するという文化があるのだからあれもいいし、こちらもいいというだけにした食育でいいのではないでしょうか?」

ちなみに優劣ということで鈴木先生はこんなこともおっしゃっていました。

「例えばこの前、産地偽装が問題になった某料亭ね。あのひとつに佐賀牛を但馬牛と偽って売っていたことが問題になっていたでしょう?産地を偽ることは確かにいけないけれども、ニュースなんかを見ているとまるで但馬牛よりも佐賀牛の方が下みたいな印象だったと思うのね。僕はあれを見ていて佐賀牛を育ててる人たちは怒っているんじゃないかな?って思っていたんです。だって佐賀牛も但馬牛と同じくらい美味しい牛肉だもの。まして育て方も味も違うわけだから、食べ手の嗜好の違いがあるのはいいと思うけど優劣をつけられることではないでしょう?あとは値段の違いというのがあるかもしれないけれども、必ずしも値段の上下が味の上下、優劣とイコールということではないし。これについても食べた人が判断するというファジーさでいいと思うんです。ただそれぞれの個人が判断できる食育をする必要はあるように思いますね。」

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