こだわりの強い性質を持つ子ども

「青いズボンしかはきたくない!」「自分でドアを閉めたい!」とこだわり、思うようにならないと癇癪を起こす。子どもは成長の過程で、こうして大人から見れば些細に見える物事にも強くこだわり、思い通りにならないと感情を爆発させることがあります。
こだわりが強い子供 こだわりの強い子供 こだわり強い子供 対応

こだわりの強い子どもは、意志が強く自己主張のできる子

忙しく時間がない時などにこうしたこだわりを前にすると、親もつい感情的になり、イライラしてしまいます。

子どものこだわりは、自我の芽生え始める幼児によくみられますが、個人差が大きく、より強く主張する子もいれば、すぐに気持ちを切り替えられる子もいます。子どもの性質について長年研究を続ける心理学者トーマス・チェス夫妻によると、生まれつきこだわりが強く気持ちを切り替えるのがより難しい性質を持つ子が一定数いるといいます(*)。

こうした性質を持つ子の関わりでは、子どもの「こうしたい!」といったこだわりと、親の「こうしてほしい」という思いが頻繁にぶつかりますから、親として、より忍耐や工夫が必要となります。

とはいえ同時に、こだわりの強さとは「自分の意志を明確に持ち、はっきりと自己主張ができる」といったその子の「強み」でもあると捉えてあげたいです。「自分はこれがしたい!」といった思いがはっきりとしており、ちょっとやそっとのことではその意志を曲げることのない頼もしさを持っているといえるでしょう。

こだわりの強い子どもの良い面を認めつつ、その子が健やかに伸びていけるよう、具体的な対応を工夫してあげましょう。

 

こだわりの強い子どもへの対応6つ
1.癇癪中はまずは親子で落ち着く工夫を

こだわりを中断され癇癪を起す子どもに親もイライラし、頭ごなしに「いいかげんにしなさい!」と迫ったたとしても、火に油を注ぐようなものです。ますます激しく感情を爆発させるでしょう。感情が高まっている時は、何を言ったとしてもその子には伝わりません。まずは親子で落ち着くのが先決です。
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感情が高まっている時は共感とスキンシップでまずは落ち着きます

親が落ち着くには、深呼吸したり、その子の良い面を思い出すなどの方法がありますが、子どもにとっては、共感とスキンシップを通し、親との絆を確認することが最も効果的です。例えば、「青いズボンがはきたかったのね。洗濯中ではけなくて残念ね」と共感を示し、抱っこしたりとスキンシップをとってみましょう。

また、年齢が下になるほど、お腹がすいていたり、疲れていたりと体調が万全でないときも、こだわりが強くなりいつまでもグズグズすることがあります。そうした場合は、まずお腹を満たし休憩することを優先しましょう。 
 

対応2.親子で落ち着いたら話し合う

癇癪の最中にはとても聞き入られることのなかった言葉も、共感され、抱っこされとその子が落ち着いた後には、より伝わります。

ここで大切なのは、共感を示すことと、子どもの要求をのむこととは同じではないと覚えておくこと。例えば、「滑り台一番に滑りたい!」とこだわる子に、「一番に滑りたいのね」と共感を示したとしても、他の子が並んでいる列に横入りするのを認めることにはなりません。気持ちが落ち着いたら、「前に並んでいる子たちも、早く滑りたくて待っているね。前の子が滑ったすぐ後に滑ろうね」と話しあいましょう。

 

対応3.癇癪を起こすことなく気持ちの切り替えができた時を認める

こだわりの強い子どもが、感情を爆発させることなく、気持ちの切り替えができた時には、こまめに認め喜んであげましょう

親も忙しいと、できているときはついつい当たり前に感じ、見過ごしがちなります。それでも、例えば「『帰るよ』といったら、片付けを始めてくれてありがとうね。助かったわ」と、こまめに伝えてあげましょう。

 

対応4.こだわりを起こす前にできる工夫をしておく

何かに夢中で取り組んでいる最中に、突然「やめなさい!」「帰る時間よ」といわれたら、大人でも、カチンときたり、言うことをきくのが難しいものです。ましてや、こだわりの強い子ならなおさらです。

取り組んでいる物事をやめる必要のある30分ぐらい前から「あと30分よ」「あと15分ね」「5分したらおしまいよ」等知らせてあげましょう。また、例えば「今日は帰るよといったら、滑り台3回してから帰ろうね」と公園に行く前に話し合っておくのも方法です。

 

対応5.思う存分こだわる時を確保する 

こだわりの強い子は、好きなこと嫌いなこと、したいことしたくないことがはっきりしています。そうした自らの強い意向を思う存分発揮し、何かに没頭できる時を確保してあげたいです。そして書籍を購入したり、博物館や科学館へ出かけるなど、その子が強く興味を持つテーマについて掘り下げ展開する機会を作ってあげましょう。

また「スプーンよりフォークで食べたい」といった、自他ともに危険がなく周りにも迷惑がかからないようなこだわりは、その子の希望通りにさせてあげるのも方法です。その都度、親の「してほしい」をどうしても優先させる必要があるか、見直してみましょう。

 

対応6.医療&心理専門家に相談する

親子で日常生活に困難を感じるほど難しさを感じる場合は、医療機関の専門家に相談してみましょう。


こだわりの強い子の難しさと強みを理解し、その子が健やかに伸びていく具体的なサポートをしてあげたいですね。


(*)参考資料:
‘The Origin of Personality’ by Alexander Thomas, Stella Chess and Herbert G. Birch Scientific American, pp 102-109, 1970

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。