子どもの自己主張は、自我の芽生え

子どもは成長と共に、自己を主張し始めます。2歳前後になると、親の言うことに対し、何でも「イヤイヤ」と反抗し、言うことを聞いてくれない子どもに悩む親も多いでしょう。
 
ですがこれは、自我の芽生えで、心の成長過程の大切な一時期です。社会の中で生きていくうえでも自分の意思を主張することは必要なことですね。
親の言うことに反抗し、「イヤイヤ」とダダを込める子どもに親は悩むことと思います

2歳前後になると、親の言うことに対し、何でも「イヤイヤ」と反抗し、言うことを聞いてくれない子どもに悩む親も多いでしょう 

では同じように自分の意思を主張する「わがまま」はどうでしょうか。わがままな人は、友人関係や社会の中で「自分勝手」と受け取られ、場合によっては生き辛さを感じることもあるでしょう。
 
そして、わがままに似ている状態で「甘え」があります。「親に甘えて、わがままを言う子」「甘やかされて育った子は、わがまま」という表現があるように、甘えはわがままと一対で使われることも多いです。では甘えも自分勝手でよくないのでしょうか。
 
これら3つは、いずれも自分の意思を主張している状態で、線引きは難しいですが、各々対応法は違ってきます。子どもの「自己主張」「わがまま」「甘え」これらの見分け方と、対応法について説明します。
   

自己主張とわがままは、似ているようでも"目的"が異なる

自己主張は、自分の考えや気持ち、欲求などを述べること、人に伝えるという意味があります。そしてこの考えや気持ちは、自分が常日頃から持っている意見や思い、持論のようなもので、人に伝えることが一番の目的です。
 
それに対してわがままは、自分の感情や思いを伝えた後、相手がどのように捉え、どう対応するかがポイントになります。そして自分の言ったようにして欲しい、思うように相手を動かしたいという気持ちがあり、自分勝手と捉えられるでしょう。
 

自己主張、わがまま、甘えの具体的な違いって?

普段は一人に着換えているのに、急に「ママ、手伝って!」と言ってくる時があります

私は白いパジャマが好き、と自己主張する力は、育みたい大切なことです

では、具体的にはどのようなものでしょうか。夜、寝る前の親子の会話を例に考えてみましょう。

親「テレビを消すわよ!もう寝る時間でしょう」
子「テレビ消さないで!まだ眠くない~」
 
親「赤いパジャマは、可愛いわね」
子「私は、白いパジャマの方が好き」
 
親「一人で、パジャマに着替えられるでしょう」
子「できない!ママ手伝って……」
 
どの会話も子どもは、親の言ったことに反抗し、自己を主張していますが、少ずつ違いがあります。
 

わがままに対しては、受け入れられない理由の説明を

1番目の会話、

親「テレビを消すわよ!もう寝る時間でしょう」
子「テレビ消さないで!まだ眠くない~」

は、子どもの生活リズムを整えようとしたり、睡眠不足が溜まると、身体や脳の発育によくない影響を与えるので、親は就寝時刻を決めて約束します。

ですが子どもは、「まだテレビを見ていたい」と、親がテレビを消そうとする行為を自分の要求通り変えさせようとしています。これは、危険な行為とまではいかないものの、健やかな成長を阻んだり、親との約束事を守らないので、わがままになるでしょう。
 
この他に、コンビニやデパートでお菓子やおもちゃを「買って、買って!」と駄々をこねたり、公園の遊具などの順番を並ばず、先に使いたがったり、友達の持っているものをいつも欲しがったりするのは、相手に迷惑をかける行為のためわがままです。
 
このような場合は、子どもの言いなりにせず、きちんとダメなことを教えましょう。その時、頭ごなしに言うのではなく、相手の気持ちを考えることや、主張が受け入れられない理由をきちんと説明してください。

例えば、夜の就寝時間が遅くなると、翌朝起き辛いことや、順番を抜かされた友達の気持ちを説明してください。そして「おもちゃは、次のお誕生日に買ってあげるわね」「お友達と一緒に使って遊べば、楽しいよ」など気持ちを収める代替え案を提示してあげましょう。
 

自己主張は、筋道立った話し方で育み伸ばそう

自己主張を育み伸ばすには、親も筋道だった話しをするよう心がけましょう

自己主張する力を育むには、頭ごなしに怒鳴ったり、叱責せず、子どもの話はきちんと聴いてあげましょう

2番目の会話、

親「赤いパジャマは、可愛いわね」
子「私は、白いパジャマの方が好き」
 
は、赤いパジャマが可愛いと言った親に対し、自分は白いパジャマの方が好きだという日頃から感じていること、思っていることを伝えています。相手にも白いパジャマを好きになることを要求している訳ではありません。ですので、自己主張になるでしょう。

集団や社会の中で、自分の考えや思いをしっかり伝えることは大切です。自己主張する力は育み伸ばしていきたいですね。日頃から親は子どもの考えを受容し、筋道立った話をしていくことを心がけましょう。

子どもが間違ったり、誤った時に、厳しく咎めたり叱責すると「もし間違っていたら怒られる」「話して反対されたらどうしよう」など委縮してしまい、しっかり自分の意見を言えなくなってしまいます。
 

甘えは、受容し心の自立を支援する

3番目の会話、

親「一人で、パジャマに着替えられるでしょう」
子「できない!ママ手伝って……」

は、一人でパジャマに着替えるように促されたのに対し、できないと主張し、親が手伝うことを望んでいます。これは、一人で着替えさせようとしている親に対し、手伝うことを望んでおり、相手を自分の要求通りに動かそうとしているので、わがままと考えられるかもしれません。

ですが、このわがままは、1番目のわがままとは違い、いつもは出来ることを出来ないと言って、親の関わりを望んでいます。これは子どもの健やかな心の成長、自立に必要な甘えになります。
 
生活の全てを委ねている赤ちゃんは、親に依存し、安心して生きています。しかし成長するにつれて親から離れ、自立していく体験をします。その中で不安を感じると、また以前の安心を得ようと、親のもとに戻ってきます。それが甘えという形で表れるのです。そして充分安心すると、また親から離れていき、自立していきます。このように甘えは、子どもの心が自立へと向かう大切な過程になります。
 
「お話、聞いて!」と言ってきたり、スキンシップを求めてきたり、出来ることを手伝って欲しいと言ってきた時などは、心の成長に必要な甘えですので、しっかり受け止めてあげてください。
 

 わがままの中に隠された甘えの対応法

わがままは、改善するように教え導く必要があります。ですが子どものわがままには、隠された心理があることもあります。

それは、親に無理を言って困らせたり、約束を守らず自分の思いや考えを言い張り、親の関心を自分に向けさせるために、子どもはわがままを言う場合です。このわがままは、気持ちを受け止めてあげましょう。
 
子どもは、親に本当は認められたい、褒められたいと思っているのですが、かまってもらえず、手っ取り早くかまってもらう手段として、「わがまま」を言うのです。ですので、子どもの言い分を受け入れ、抱きしめてあげるだけで、気持ちが収まることもあるでしょう。
 

自己主張、わがまま、甘えは、その状況や背景を見極める

「自己主張」わがまま」「甘え」を見分けるためにも、日頃から親子のコミュニケーションを大切にしたいですね

親は常に子どもの目線に立って、子どもの気持ちをわかろうと努力することを怠らないことが大切です

「自己主張」「わがまま」「甘え」と簡単に線引きをし、見分けることは難しいかもしれません。状況や背景、隠された心理などが複雑に絡み合って、わがままだと思っていても、実は甘えであったり、自己主張がいつの間にかわがままになっていたりということもあるでしょう。
 
親は常に子どもの目線に立って、子どもの気持ちをわかろうと努力することを怠らないことが大切です。子どもの表情、話し方、声のトーン、振る舞い、小さな変化を見落とさないようにしていれば、どのような思いからその主張をしているのか、きっと見えてくると思います。そして自己主張、わがまま、甘えを見分け、適切な対応法で、子どもの健やかな成長を支援しましょう。

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