反対派多数! デキ婚は「無知で無計画で無責任」?
All About Life “My Opinion”の投票にて、できちゃった結婚反対派が挙げる理由は、どれも手厳しい。「デキ婚は、結局、避妊失敗の『事故』」
「みっともない」「だらしない」「格好悪い」「計画性がない」
「親や周囲に迷惑をかけて、平気な顔をしていられるのはなぜ」
「大人として失格」
「もし女性の側が結婚する手段として妊娠したのなら、計算高い」
「周囲の『デキ婚』カップルには離婚が多いから、長続きしなさそう」
「ちゃんと避妊してくれないような人と結婚して大丈夫なの?」
「『できたから産んだ』では、生まれた子どもに失礼ではないのか」
総じて、「デキ婚は無知で無計画で無責任」と、その結婚の継続性や子育ての仕方にも疑問を投げかける声が多い。10代や20代前半でデキ婚するカップルのパーセンテージが高く、「無防備で奔放なセックス」と決して切り離して考えることができない以上、世間のこうした見方はついて回るものなのかもしれない。妊娠をきっかけとして結婚し、つつがなく子どもを育てるカップルももちろんいるが、特に若年層で「できちゃった」ゆえに結婚し、望まない出産をしたという思いの強いカップルには、離婚や子どもへの虐待などが多く報告され、児童相談所などでよく扱われるケースとなっているという。
1980年、チェコのプラハで望まれない妊娠によって誕生した子どもたちへの追跡調査が行われた。望まれて誕生した子どもたちとの成長の比較で、誕生時にはIQ、身長体重、情緒などに差はなかったものの、8歳で学業成績に差が出始め、14歳では成績、情緒、教師や親への従順さなどで顕著な差が見られたという。チェコでは人工中絶に法的な規制があり、このとき対象となったのは2度の中絶申請をして却下された母親たちから生まれた子どもであったため、親が子どもの養育に対してかなり消極的なケースであったと推測される。この研究は、「子どもを望んで養育しているわけではない」「子育てへの心構えができていない」ことが子どもの成長に深刻な影響を与えかねないことを示している。
また、結婚と出産を一度に経験することによって、それまでの生活に大きな変化がもたらされることへのストレスも無視できない。配偶者と子どもがいる生活は、配偶者も子どももいない生活とは、拘束度も生活時間も全く違う。仕事でも私生活でも、自分のライフコースや価値観を再構築しなければいけない。これを受け入れがたいと感じて結婚を継続できなくなるカップルは、決して少なくないだろう。
だが、これは「デキ婚」自体が問題というよりは、むしろ「デキ婚」を選択するに当たっての本人の覚悟や、もともとの資質こそが問われている。「そのパートナーと本当に家庭をもちたいと思ったか」、「子どもを欲しいと思って産んだかどうか」、この2点にこそ、デキ婚の行方はかかっているのではないだろうか。