乳児育児/乳児育児関連情報

実録アレルギー体験談 ステロイドの不使用(2ページ目)

2回連続で続いたアレルギー体験談。今回が最終話。ご登場いただいた佐藤さんが、ステロイドをどうしても避けたかった理由をご紹介していきます。

執筆者:松下 和代

「免疫力の強い子どもになったと感じる」

ガイド:子どものアレルギーについてどう思いますか?

佐藤さん:アレルギーの症状もいろいろあると思います。私の息子の場合は軽かったのか、重かったのか、正直他の方とは比べられないのでわからないのです。でも私はとにかく食事を改善することが基本でした。結果的に、子どものアレルギーをきっかけに始まった食事の見直しによって食事への関心が高まったし、なかなか改善されなかった私のコレステロール値も知らない間に良くなっていきました。

そして、免疫力の強い子どもになったと感じます。アトピーの長男はもちろん肌が弱く、一年中鼻たれ小僧で弱々しい感じなのに、なぜかひどい風邪をひきません。長女がかかったおたふく風邪やノロウィルス、プール熱など、かかりつけの先生が「絶対兄弟にもうつりますから」と言われたものにもかからないのです。本当にこれは不思議です。

「自分を省みるいい機会になった」

ガイド:お子様のアレルギーを抱えながらの仕事は大変だと思います。子育てと仕事の両立について教えてください。

佐藤さん:結婚を機に仕事を辞め、2人の子どもを育てながらの7年の専業主婦生活を卒業し、今年の春から運よく声を掛けていただき編集の仕事を再開しました。正直アトピーの息子は夜、寝ない。一晩に何回かのポリポリ、ポリポリ引っ掻き音で、私も目を覚ます。この4年間、夜熟睡できたことは稀で、昼間はなんとなくボーッと眠い毎日でした。こんな生活では「仕事は絶対にムリ!」と思っていました。

元看護婦というアトピーっ子のママ友達にも「アトピーの子どもを持つママは働けないよ!」ときっぱり言われたこともあり、私も納得していました。でも、物事が動き出す時とはこういうことかと思うほど、私の気持ちも周りもすべてが一気に動いた感じでした。息子のアトピーが改善され、夜もよく寝るようになったことも大きいです。

仕事を始めて思ったことの一つは、「7年のブランクは大きかった」ということ。まず、パソコン環境の変化についていくのが大変でした。そして体と頭もついていかない。朝6時30分に起きて2人の幼稚園児の弁当作りから始まり、会社を夕方5時30分には出て幼稚園のお迎えにギリギリセーフ。夜ご飯を食べさせ、風呂に入れ、朝は忙しいので夜に移動した洗濯をする。9時に寝かせつけるときには、もうクタクタで一緒に寝入ってしまっています。とにかく一日中、ランニングをしている感じです。

仕事を再開して良かったことは、あまりに自分が未熟で、何もできないかを身をもって知ったことです。専業主婦時代は子どもに対して「何でできないの?」と思ってイライラしていたことが、自分を省みても「そうそう、がんばってもできないことってあるよね……」と妙に子どもに同感できるようになった。それが一番大きな報酬かもしれないです。



佐藤さんのお話を伺って、自身のステロイドの経験を信頼できる医師に伝えることの大切さ、色々なものを試しながらもお子様と一緒に生活スタイルを改善していくことの大切さ、お子さまのアレルギーを抱え仕事を断念した中でも続ける大切さ感じました。佐藤さんの4年間の努力が、結果ライフスタイルを改善し、家族や自身の健康にもつながったことは希望になります。

(こちらの体験談でお伝えした治療法などには、個人差があります。独自の判断を避け、専門の医師の診断を受けてご自身のお子様にあった治療法をしてください)



<関連リンク>
実録アレルギー体験談「戦いの日々」
実録アレルギー体験談「見えてきた光」
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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