赤ちゃんの発声練習「喃語」は言葉の土台

喃語とは?赤ちゃんの発声練習

赤ちゃんの言葉は喃語から始まる

赤ちゃんの言葉は、いつ、どのタイミングで出てくるものなのでしょうか。ある日突然、自然発生的に現れるわけではありません。実はそれまでにママやパパなど身近な人の話す言葉を赤ちゃんはしっかりと聞いています。そして少しずつ言葉を覚えていくのです。赤ちゃんの言葉はどのように発達していくのでしょう?
   

喃語とは?意味ある言葉を話す前の発声練習

赤ちゃんのお世話をしていると、赤ちゃんは泣いている時以外にも、声を出すことがあると気がつくのではないでしょうか。「あれ?今お話しした?」と感じるぐらいの小さく曖昧なこうした赤ちゃんの声も、月齢が上になるにつれ、よりはっきりと聞き取ることができる声音へと変化していきます。赤ちゃんが手足をバタバタさせながら、「ブブブブ~」「アムムムム~」とお話しに夢中になっている様子は、何とも可愛らしいですね。
 
泣いている時以外のこうした赤ちゃんの発声を「喃語」といいます。喃語は、「ああ~(aa)」「うう~(uu)」といった母音から始まり、次第に「ダ(dとa)」「マ (mとa)」「パ(pとa)」のように子音と母音といった二音以上が合わさる発声となります。(*1)
 
喃語を話す微笑ましい赤ちゃんの姿も、実は、赤ちゃんが、後に意味のある言葉を話すための発声練習とされています。赤ちゃんは、自ら発する様々な音や、それらの音を発することで変化する顎や口や喉の動きを楽しみながら、日々周りから聞こえてくる言語を自ら操る力を発達させているのです。

そうして生後間もなくは世界中で同じような音の喃語も、赤ちゃんが成長するにつれ、例えば日本語、英語、フランス語特有の音へと変化していきます。 (*2)
 

赤ちゃんの喃語はいつからどのように発達する?

では、赤ちゃんのこうした発声練習とは、具体的にどのように発達するのでしょうか? 発達のスピードは、赤ちゃんによって様々ですが、多くの場合、次のように変化していきます(*1)。
 
■生後2~3ケ月頃:
赤ちゃんが異なる音を区別できるようになるにつれ、母音からなる喃語が始まります。また、周りの人々の働きかけに発声によって答えるようになります。

■生後4~6か月頃:
大人の話す音を真似られるようになり、母音と子音を組み合わせた喃語を話すようになります。

■生後7か月~8か月頃:
一呼吸でいくつかの音を発せられるようになり、大人が話す言葉の抑揚などを認識できるようになります。

■生後9~11か月頃:
大人の動作を真似できるようになり、より多彩で複雑な音を発するようになります。

■12ケ月頃:
意味のあることばを一語か二語話すようになります。
 
こうして、意味のない音の連なりだった発声は、生後1年程かけ、徐々に赤ちゃん自らが思いや気持ちを伝えることのできる「言葉」となります。コミュニケーションの要となる言葉を獲得することで、赤ちゃんは、泣いて待つ以外の方法でも、自らの意向を周りの人々に伝えることができるようになっていくのです。
喃語

赤ちゃんとの「会話の始まり」である喃語を楽しみましょう

赤ちゃんは周りの大人が自分の発声に反応してくれることで嬉しくなり、どんどん声を出すようになります。言葉の発達の土台となる喃語を引き出し、豊かな言語力を培うために、何ができるかをみてみましょう。 
 

喃語を引き出し、言語力の発達を促す対応ヒント

1.赤ちゃんの発声に応える
例えば、赤ちゃんが、「あブブブブ」と声を出したら、同じ音を真似たり「面白い音が出て楽しいね」と声をかけながら、同じ音を真似たり、アババババ、アププププと一緒に音で遊んでみましょう。

2.赤ちゃんの関心に応える
赤ちゃんが何に関心を示しているか、何に心が動いているかを、観察してみましょう。例えば、ひだまりに木々の影が揺れている様子をじっと見つめているかもしれません、また、風が頬に当たる様子にハッとしているかもしれません。赤ちゃんの様子を観ながら、「あそこのひだまりがユラユラゆれてるね。ユラユラ~、ユラユラ~」「ほっぺが冷たくてびっくりしちゃうね。冷たいねえ、冷たいねえ」など、表情豊かに話しかけてあげましょう。

3.周りの様子を実況中継する
「車がブッブ~って走ってるね。ブッブ~」「今日はお天気で気持ちいいね」など、周りの状況を実況中継していみます。

4.話し方を工夫する
次のような話し方でたくさん話しかけられた赤ちゃんは、そうでない赤ちゃんよりも、言語力やコミュニケーション力がより発達すると報告されています。(*3)
  • 高めの声音
  • 抑揚をつける
  • ゆっくり
  • 母音の強調 
  • 誇大な感情表現
  • 身振り手振り
  • 短くシンプル
  • 繰り返し
例えば、「猫さんがニャオ~って鳴いていてるねえ、ねえこおさ~ん、にゃお~にゃあ~」など、身振り手振りを混ぜ、表情豊かに、赤ちゃんが興味を持つような音やシンプルな言葉を何度かゆっくりと繰り返してあげましょう。

5.できる時にできる範囲で
「発達を促すために話しかけなければ」と肩に力が入ると、親も疲れてしまいますし、親子でリラックスして楽しむとはいかないもの。忙しい毎日にも、「できる時にできる範囲で、少し心がけてみようかな」といった気持ちで、親子の会話の始まりを味わいたいです。


言語コミュニケーションの土台となる喃語を、親子で楽しみながら、次への成長段階へ向けサポートしていきたいですね。

【参考資料】
  • (*1)Owens, R.E. (2005). Language Development: An Introduction. Boston: Pearson. pp. 125–136.
  • (*2)Bryan, Alan Lyle (1963). "The Essential Morphological Basis for Human Culture". Current Anthropology. 4 (3): 297–306. doi:10.1086/200377. JSTOR 2739612.
  • (*3)Ramírez-Esparza N, García-Sierra A, Kuhl PK. 2017. Look Who's Talking NOW! Parentese Speech, Social Context, and Language Development Across Time. Front Psychol. 8:1008.

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。