今年で30周年を迎えるポスト・イット ノート。
そもそものきっかけは、スリーエムの研究者スペンサー・シルバー氏が強力な粘着剤を開発しようとしていたところ、できあがったのは、貼り付けられるけどすぐはがせるというものだった。
こうした思わぬ失敗作から生まれたのがポスト・イット ノート。
今やビジネスの場では欠かすことのできないアイテムになっている。
そのポスト・イットから、ちょっとユニークなものが登場した。すでに店頭にも並んでいるのでご覧になっている方も多いかもしれない。
全面のりタイプのポスト・イット製品である。
住友スリーエム ポスト・イット 強粘着製品 全面のりシリーズ |
これまでポスト・イット製品と言えば、一枚の紙面のうち、一部分だけにしかのりがついていなかった。
貼ってはがせるのがポスト・イット製品の良さである。その貼ってはがせるのがやりやすいように、あえてのりを一部にしていたのだろう。
今までと違ったスタイル
この全面のりタイプは、これまでのポスト・イット製品とちょっと違うスタイルになっている。それは表紙の一部に点線があること。はじめて店頭でこれを見た時この点線は一体何のためだろう?と私も首をかしげてしまった。
全面のりタイプの最大の特徴は片側だけに点線があるところ。 |
実はこれ、全面のりタイプをより使いやすくするための工夫だったのである。
では、詳しくご説明しよう。
全面のりは裏面に文字どおり全面すき間なくのりがついているというものである。
つまり、その状態のままだと、いざ使おうとする時にのりが完全にひっついてしまって剥がしにくいということになってしまう。
そのため、今回のものはその点線があるところだけは、裏面にのりをつけず、一枚一枚をめくりやすくしていたという訳。この部分をめくると一枚だけを取り出すことができるようになっている。
点線のある部分の裏には、のりがないので、こうして一枚をつまみやすくなる。 |
つまり、これは言わば「つまみ口」である。
そのようにして1枚を剥がし、どこかに貼り付ける。
これまでのポスト・イット製品なら、これで作業は終了となるが、今回のものは、もうひと工程が残されている。というのもこれでは全面のりにはなっていない。
点線の部分の裏は先程触れたようにのりがないので、これまでのポスト・イットののり面が広くなった状態である。
そこで、この点線の横を切り取ってしまう。よくよく見てみると、点線のすぐ横にミシン目がついている。点線の真上にミシン目をつければいいところを、あえて横にずらしている。
このまましかるべきところに貼り、その後で切り取る。 |
これは、切り取った時に全面のりのポスト・イット製品の端が黒く残ってしまうのを防ぐため。細かなところまでよく考えられている。
点線のすぐ横にはミシン目があり、キレイにカットできるようになっている。 |
これで完全に全面のり状態となる。
使用前は使いやすさを考え、全面のりになっておらず、貼った後に全面のりにするという発想。これまでに比べひと手間増えるが、これまでのポスト・イット製品にはない用途がいろいろと生まれそうだ。
もちろん、お好みで貼った後も「つまみ」を切り取らずに残しておくという使い方もできる。
主にラベルとして活用出来そう
やはり全面のりということで、ファイルなどのラベルに最適。これまでの一部分がのりタイプのポスト・イットだと、貼った後にどうしてもヒラヒラしてしまっていた。この全面のりタイプならヒラヒラすることなく、しっかりと貼り付けておける。切り取ってしまえば、晴れて全面のりに。 |
今回の全面のりタイプは、より粘着度の高い強粘着タイプになっている。この強粘着タイプは、一般のポスト・イット製品よりも樹脂との相性がいいという面がある。こうした点もファイルのラベル向きである。
ラベルに使うのであれば、わざわざこの全面のりポスト・イット製品を使わずとも、いわゆるラベルシールなどを使えばとも思う。しかし、今や一つのファイルをずっと使うというよりも、一つのプロジェクトは頻繁に変わっていくことも十分あり得る。つまり、貼り替えやすさというのは今の時代では重要である。
こうした時にポスト・イット製品ならではの剥がしやすさは心強い。
一番スリムなサイズは、マニラフォルダーやクリアフォルダーのインデックスに最適。貼る前に、あらかじめミシン目を折っておくと、切手のようにあとでスムーズに切り取れる。 |
鮮やかなカラーでファイル以外にも色々なラベルやインデックスにも使えそうだ。 サイズは、プチ、スモール、レギュラー、ラージの4種類。各315円。 |
*ポスト・イットは3M社の商標です。
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