海外の文具店に行くといつも感じることがある。それは筆記具の中で多色や多機能といったボールペンの種類があまりないこと。といっても全くない訳ではなく、あるにはある。
しかしながら、日本に比べその種類は圧倒的に少ない。日本の文具店では、それこそ多色ボールペンのコーナーというものが存在していて、そこには沢山の種類が並んでいる。
この「多機能」ということ、考えみると文具に限らず、私たちの身の回りには家電製品などいろいろな所でも目にする。どうやら私たち日本人は一つのものにいろいろな機能が備わっている「多機能」がとっても好きなようだ。
そんな「多機能」大国である日本で「単機能」なものが大ヒットした。
キングジムのポメラだ。
このデジタルツール、インターネットはもとより、メールも出来ない。できるのは、ただただテキスト入力だけ。
そのポメラが、累計販売台数10万台となり、キングジムでも当初予想していた目標の3倍以上になっているという。
考えてみれば、パソコンで私たちが結構な時間を費やしているのは、そのほとんどが入力作業ではないだろうか。この入力という機能だけを切り分け、その分コンパクトに起動性も速くしたポメラ。市場のすき間をうまくつき、そのすき間を今やぐいぐいと大きくしているようである。
そのポメラの最新機種「DM20」が昨年12月から発売された。
ハイスペックなポメラ DM20 |
今回の DM20のさらなる単機能ぶりを見てみることにしよう。
高級感のあるポメラ
上から見ると新機種DM20の方が大きく見える。*右が新機種DM20。 |
以前のポメラDM10と比べると、大きさは一回り大きくなっている印象。
横から見てみると、わずかに厚さも増している。しかし、よくよく見てみると、ベースとなっているキーボードの部分は全く変わっていないのがわかる。つまり、上についているトップパネルだけが若干厚くなっているようだ。
折りたたまれたキーボード部分はほぼ同じであることがわかる。 |
そのトップパネルにはレザー風のパネルがはめこまれており、大人のポメラという感じがする。
レザー風のトップパネル。「バイソンブラウン」。 |
「リザードブラック」。こちらの方が表面の凹凸が大きい。 |
ちなみにこれは合成皮革。しかし、触り心地は決して悪くなく、安っぽいという印象もない。合成皮革技術の進歩ぶりが伺えるものとなっている。
このトップパネルは、今回のDM20では着せ替えができるようになっている。オプション設定で3タイプから選べる。ちなみに、着せ替えは以前の機種DM10では出来ない。
着せ替え用の3タイプのパネル。「リザードホワイト」、「カルフォルニアレッド」、「レーシングカーボン」。 |
カーボンタイプはプリントではなく本物のカーボン素材が使われているという贅沢な仕様。 |
重さは370g。以前のものが340gだったので、それに比べてやや重いということになる。しかし、モバイルパソコンを持つことを考えれば、まだまだ相当に軽い。
大きくなった液晶パネル
こうして比べると今回の液晶パネルが大きくなったのがよく分かる。 |
先程のトップパネルが大きくなったのは、パネルが着せ替えられるというためだけではない。今回のものは液晶パネルが4インチから5インチに大きくなっている。
5インチといっても、いまいちイメージがしにくい。例えて言うなら、以前のものは名刺を横にして幅1センチほど短くしたくらいのものだが、今回は、ロディアの11番ぐらいになっている。余計にイメージしにくくなったかもしれない。いずれにしても大きくなっているのは確かだ。
キーボードがブラックになり、ビジネス色がより濃くなっている。 |
折り畳み式のキーボードはしっかりと健在。こちらのサイズは同じ。こちらも外観に合わせて大人風にブラックスタイルになっている。
キーボードのサイズはご覧のとおり同じ。 |
ブラックにゴールドというシックなカラーリング。 |