いろいろな本にセットしてみた。
では、ここでこの「おんぶっく」をいろんな本に実際にセットして、その取り付け具合を確かめてみよう。まずは、本の中でも比較的小さな文庫本。カバーの背部分の隙間にクリップを差し込むと、やや窮屈な印象あるもののどうにか収まった。ペンのへこみそしてフラットなクリップにより、本の背にピッタリと寄り添っている。グラツキもなく、読書の邪魔にならない。
やや狭いが本の背とカバーのすき間に差しこむことができた。 |
このフィット感、これまでにないものだ。 |
この様に本にセットしたままでも読書の邪魔にならないのがいい。 |
本からすこしばかりペンが出るが、これくらいならほとんど気にならないだろう。 |
ちなみに、この「おんぶっく」がセットできる本や手帳には以下のような条件がある。
■クリップの性能をしっかり発揮させるには、差し込む(背)表紙の厚さが、0.3mm~2.3mm。これより薄いと十分なクリップのハサミこみができず、逆に厚すぎると、そもそも挟み込めない。
■クリップを差し込むためには、1.5mm×4mmmのすき間が必要。これ以下でも本を広げると、一時的に背にすき間ができるが、本を閉じた時に、本を傷めてしまう危険性がある。
この条件を踏まえて、先ほどの文庫本、そしてソフトカバー単行本、新書を見てみると、すき間がややせまいといった印象はいなめない。この対策については、カバー自体の折り目をすこしばかりずらして、背に十分なすき間を作ってあげるという方法がある。あまりカバーを傷めたくないという方は、書店などでもらうカバーで行うという手もあると思う。
ハードカバーでも先ほどの条件にかなうものであるならOK。
同じソフトカバータイプは、ビジネス書の単行本や新書も概ね同じ印象。 |
ペンを取り出すの際、特に違和感はない。しかし、取り付けについてはわずかにある隙間に挿すことになるので、シャツのポケットのようにブラインドタッチというわけにはいかないそうだ。
ややショートサイズのペンが功を奏して、小さな文庫本でもご覧のとおりペンははみ出さない。 |
ひっきりなしにペンを取ったりしまったりする場合は本の背ではなく、表紙の部分にセットする方がいいかもしれない。
読書中は表紙にセットし、かばん等に入れておく時はピッタリとくる背にセットというふうに使い分けてもいいだろう。
手帳やノートにも使える
また、この「おんぶっく」は本だけでなくスケジュール帳や手帳にもセットできる。条件は本の場合と同じ。私の持っているいくつかの手帳やノートで色々と試してみた。
ハードカバーのMOLESKINE。ペンの長さははみ出さずピッタリではあるものの、背のすき間は、ちょっと狭めなので、やや窮屈な印象。なお、ソフトカバータイプだと、背が柔らかいので、クリップのセットにやや手間取る。 |
意外にもリングノートもOK。この場合はペンはリングの中に入れてしまう。 |
背に装飾のあるトラベラーズノート パスポートサイズはやや表紙側にセットすればOK。 |
綴じノートのツバメ大学ノートにセットする場合も、やはり表紙。これまでのペンの様に表紙が膨らむということはない。しかし、表紙の厚さは先ほどの条件からすると薄め。ペンをさして不安定な場合はメンディングテープなどで表紙を一部分だけ厚くするという方法もあると思う。 |
以上のように多少条件はあるものの本をはじめノートや手帳などペンの新たな携帯方法を提案してくれたユニークなペンである。
これまで、手帳にペン、またはノートにペンをセットにするといった場合、その橋渡しは、手帳やノート側でペンホルダーを用意するという方法で行われているものばかりだった。しかし、今回はペンの側が進化をして手帳やノートに歩み寄っているという点が新しい。
トンボ鉛筆社では、このところ「MOVING STATIONERY」というコンセプトを打ち出している。これは文具をデスクだけでなく外に持ち出して活用するというものだ。今回の「おんぶっく」も。まさにその流れの一つと言えそうだ。
今後はこの「おんぶっく」の多色ペンタイプがあるといいなと個人的には思ってしまった。
<関連リンク>
トンボ鉛筆 おんぶっく
本「レバレッジ・リーディング」