ステーショナリー・文房具/ステーショナリーショップ情報

万年筆と紙がじっくりと試せる文具店(3ページ目)

ステーショナリー好きのためのこだわりショップとして新たにリニューアルオープンした東京久が原のアサヒヤ紙文具店。まるでアンティークショップのような落ち着いた空間です。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

万年筆コーナーにもこだわりが

アサヒヤ紙文具店
ウッドのショーケースに並ぶ万年筆
万年筆が収められているショーケースにも他の什器同様ウッドが用いられている。こうしたウッドショーケースはあまり見たことがない。中にはパイロットを中心に万年筆が、やはりゆったり並んでいる。いつも見慣れている万年筆が、こうした木に囲まれていると、ちょっと違う印象になるから不思議だ。

萩原さんが一押しするパイロット カスタム743(3万1500円)がメインに飾られている。一般のお店では、カスタム74(1万500円)や、カスタム742(2万1000円)のものが多いが、あえてワンランク上のものにしている。しかも、その743でEF、F、M、B、をはじめフォルカン、スタブ、ウェーバリー、ポスティングなど特殊ペン先など全15種類がズラリと揃っている。それら全て希望すれば試し書きができるという。
アサヒヤ紙文具店
上/パイロットカスタム743で15種類のペン先が試せる。 下/ナミキの万年筆が北海道から取り寄せたという切り株の上に並べられている。木と万年筆の相性の良さを痛感した
こうした万年筆が試し書きできるところは他でも、きっとあることだろう。しかし、同店の特長は、先ほどの原稿用紙、便せん、そして一部ノートまでも試し書きができることだ。店内の中央には、大きな木のテーブルがある。この部分にこそ萩原さんのこだわりが最も色濃く反映されている。

アサヒヤ紙文具店
上/萩原さんが一番作りたかったこだわりの試し書きコーナー。手荷物を置いておける専用トレイ(もちろん木製)も完備。 下/スイッチで蛍光灯系、白熱灯系のライトに切り替えられる
たとえば、ゆったりとした広さのテープル、そして高さが調整可能な椅子。さらに照明には蛍光灯系と白熱系の2種類のライトを完備して、スイッチで切り替えられるようになっている。照明ひとつで紙や筆跡の印象は結構違ってくる。店で買う時に、お客さんの普段の環境をできるだけ再現して買っていただけるようにと萩原さんが考えたことだ。

アサヒヤ紙文具店
左/試し書きの対応をされる萩原さん。幸せそうな笑顔が印象的。 右/ペン先の余分なインクを拭き取る「キムワイプ」。通常のティッシュペーパーよりも毛羽立ちが少ないので、あえて使っているという
たくさんの文房具を品揃えしているお店は多い。しかし、今回のアサヒヤ紙文具店では、あえてその土俵にあがらずに独自に吟味されたものだけで勝負しようとしている。その分だけ、ひとつひとつの文具にしっかりとスポットライトが当てられている。さらには、文具を売り買いする場というよりも、むしろ文具を楽しもうというサロン的な雰囲気が強く感じられた。

お気に入りの万年筆を片手にその万年筆と相性のいい紙製品をゆったりと選ぶのにまさに相応しい空間だと思う。
アサヒヤ紙文具店
落ち着いた時間が流れるステーショナリーショップ



【アサヒヤ紙文具店】
・住所:東京都大田区久が原3-37-2
・TEL:03-3751-2021
・営:12:00~19:00(土・祝日は18:00まで)
・休:毎週水・日曜日
ショップの地図(携帯でもご覧になれます)


【関連リンク】
アサヒヤ紙文具店 オフィシャルサイト
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