一口に原稿用紙といっても、その種類は様々
原稿用紙と言えば、小学生時代によく作文で書いたあの懐かしいタイプが思い浮かぶところだが、紙のサイズ、マスの大きさや形、罫線の色などたくさんのバリエーションがある。満寿屋では、26種類もの原稿用紙が取り揃えられている。これらの様々な種類の原稿用紙はユーザーである作家の方々のニーズから生まれたものも多いという。ここに代表的なものをご紹介しよう。
クリーム地に朱色の罫線が映える。ルビのない横長のマス目は障子マスと呼ばれている。 浅田次郎氏も愛用。 K3 B4サイズ 400字詰 840円 100枚入 | テレビの構成作家の方向けの原稿用紙、その名もテレビ。マス目の上にイラストなどが描けるフリースペースがある。 No.117 B4サイズ 300字詰 840円 100枚入 |
目に優しいさわやかなグリーンの罫線。障子マスが開放的な気分にさせてくれる。 No.21 B4サイズ 400字詰 945円 100枚入 | 思わず懐かしさを感じてしまうセピア色の原稿用紙。 No.113 B4サイズ 400字詰 840円 100枚入 |
オレンジ色の罫線。暖かみのある優しい雰囲気。 No.22 B4サイズ 400字詰 945円 100枚入 | グリーンの罫線のルビ入り原稿用紙。 No.25 B4サイズ 400字詰 945円 100枚入 |
B4サイズよりもひとまわり大きい美濃判。紺の罫線が引き締まった印象。 No.37 美濃判 400字詰 1,029円 100枚入 | マス目が囲われていないユニークなスタイル。枠にとらわれずに自由に書けそうだ。 No.116 B4サイズ 400字詰 840円 100枚入 |
私が愛用している満寿屋の原稿用紙
No.102 B5サイズ 200字
420円 100枚入
420円 100枚入
実は、私もずいぶん前から満寿屋さんの原稿用紙を使っている。私のお気に入りは商品番号102というものだ。ちょうどB4版の原稿用紙を半分にしたもの。満寿屋さんの十八番である障子マスになっている。そもそも、このコンパクトな102という原稿用紙は、作家の方々が旅行の時に携帯するためのものだそうだ。
ゆったりとした障子マス | 本来、縦書きだが、 横書きも楽しめる。 |
私は、これを本来の原稿用紙としてではなく、便箋として愛用している。B5版というサイズも便箋としてちょうどよいし、この横長のマス目がなんと言っても雰囲気があって気に入っている。正式には、縦書きするものだそうだが、私は、横書きを楽しんでいる。用途から書き方に至るまで私は邪道な使い方をしているようだ。。
クリーム色した紙にブルーのインクがとても映えて、書いている自分も思わずうっとりとしてしまうほどだ。原稿用紙と言うと、一般にちょっと敷居が高い気もするが、こうして便箋としてなら気軽に使うことができる。一度この満寿屋さんの原稿用紙の書き味を味わってみたいという方にはおススメしたい方法だ。
便箋としても使える応用範囲の広い原稿用紙
今回の満寿屋さんの取材を通じて私自身がすごく感じたのが、「こだわり」と「フレキシブルさ」という相反する二つの言葉だった。
書き手のプロである作家の方々に満足してもらえるよう、特漉きでオリジナルの紙を作るに至った深いこだわり。また、もう一方では、原稿用紙とは、こうあるべきという既成概念にとらわれないマスの形や罫線の色といったフレキシブルさも同時に併せ持っている。
こうしたこだわりの上にたったフレキシブルさというものが120年という長きに渡って多くの作家に愛され続けている理由なのだろう。
<関連リンク>
満寿屋(舛屋)オフィシャルサイト
満寿屋の原稿用紙の品揃えが豊富なアサヒヤ紙文具店(名入れも受け付けてくれる)
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