先般開催された「ISOT2006国際文具・紙製品展」速報の第2弾。
前回に引き続き、今回も限定万年筆や、デザインステーショナリーの他、ユニークなものまで盛りだくさんの内容でお届けしていきます。
前回の記事をまだご覧になっていないという方は、こちらをどうぞ。
95周年記念の限定万年筆(セーラー万年筆)
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セーラー万年筆 95周年記念謹製万年筆 レアロ
84,000円 限定500本(シリアルナンバー入り)
84,000円 限定500本(シリアルナンバー入り)
セーラー万年筆のペン先には「1911」という刻印がある。これは、同社の創業した年を表している。今年で95周年を迎えるセーラー万年筆が満を持して、重厚感あふれるこだわりの万年筆を発表していた。
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万年筆愛好家にはたまらない1本に仕上がっている | 21金の24金仕上げのペン先、 しかも、これがとても大きい |
その名も「レアロ」。堂々としたボディはセーラーのハイエンドモデルのキングプロフィットがベースになっている。さすが95周年ということで、今回のレアロには、うれしいこだわりが満載。なんとインクの吸入方式が尾栓回転式吸入式になっているのだ。現行のセーラーの万年筆の全てはコンバーター式もしくはインクカートリッジ方式になっている。キングプロフィットをベースにしながらも、95周年に相応しい全く違う万年筆を造りたいという意気込みがとても感じられる。この尾栓吸入式はコンバーターよりもインクが多く吸入できるという実用性もあるが、これでインクを入れるひとときが実に愉しい。尻軸をグリグリと回転させながら、インクボトルからインクを吸い上げていると、いつもとは違ったゆったりとした時間が流れているような、そんな気持ちに浸ることができる。
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尻軸を回転させてインクを吸入させる本格派
また、インクの残量が見えるように、グリップの少し上の部分には「インクタンク ウインドウ」と呼ばれるストライプ状の透明窓がしつらえてある。胴軸の中にインクタンクを持つ今回の尾栓吸入式ならではのつくりだ。中のインクがよく見えるように透明度を上げたり、タンクの中のインクがこの窓の内側に付着してもすぐに流れて見えやすくするなど、開発過程でかなり苦労をしてつくられたそうだ。
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スリット状になった
インクタンクウインドウ
インクタンクウインドウ
ペン先には、セーラーの技術力が結集された21金の24金仕上げになっている。レギュラーラインのプロフィットよりもひとまわり大きなペン先なので、その迫力は圧巻だ。セーラーが誇るオリジナルペン先の中で人気の高い「長刀研ぎ」が標準で備わっている。通常のペン先よりも長く、まさに長刀のように研ぎ出されているので、筆記角度の調整により日本語特有の「トメ」「ハネ」「ハライ」も表現できる。
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セーラー十八番の長刀研ぎが標準装備
今回のこだわり満載の95周年記念のレアロをみていて、5年後の100周年記念モデルが早くも楽しみになってきた。区切りのいい100周年ということで、きっとこのレアロを超えるものを出してくれることだろう。