20周年を迎えたデザインコレクション(トンボ鉛筆)
日本のデザインステーショナリーの草分け的存在として忘れてならないのが、トンボのデザインコレクションだ。トンボ鉛筆が1986年に書き手の個性やこだわりを満足させ、書くことの楽しさも味わえるペンを作ろうということで生まれた。早いもので、このデザインコレクションも今年で20周年を迎える。そのせいか、トンボブースの中でも、今回は特にこのデザインコレクションの展示コーナーが大きくなっていたようだ。これから正式発売される新作ペンをじっくりと堪能させていただいた。
トンボ デザインコレクションの新作ZOOM101
一部小売店で先行発売されていたデザインコレクションのハイエンドモデルとなるZOOM101。私はこのZOOM101を手にとって触れるのは、これが初めてだった。第一印象としては、「モックアップなのでは?」と思ってしまうほどの驚くほどの軽さ。メーカーによると、その重さ、というよりも「軽さ」はわずか14g(万年筆タイプ)。実に、鉛筆2本分ほどしかない。
グラマラスなクリップが細軸のボディを効果的に強調している | カーボンならではのきれいな格子模様 |
今回のZOOM101はこの軽さにこだわりぬいて開発が行われたそうだ。ボディの素材にはカーボンが使われている。私が知る限りでは、カーボンをまとったペンというのはほとんど見たことがない。一般に、こうした特殊素材のペンは、真鍮製の胴軸に特殊素材を巻いたりするものだが、このZOOM101では、真鍮などは一切使わずに繊維状のカーボンを何層も重ね合わせて作られている。開発においてこの点がとてもご苦労されたそうだ。カーボン独特の格子模様が見る角度によって、深みのある表情を見せてくれる。
クリップや首軸など、メタルパーツが要所要所で使われているのだが、それにしては、軽いなと思っていたら、なんとそれらはジュラルミンだという。アルミのような軽さとメタルの硬さを併せ持った素材だ。飛行機の機体に使われるカーボンとジュラルミンという組み合わがハイエンドモデルらしい風格を感じさせてくれる。
ステンレス製のペン先。 太さはF(細字)のみ | 軽快な筆記が愉しめる |
ZOOM101(本年9月発売予定)
万年筆 21,000円
水性ボールペン 15,750円
油性ボールペン 15,750円
万年筆 21,000円
水性ボールペン 15,750円
油性ボールペン 15,750円
デザインコレクションのもう1つの新製品として、ZOOM505の万年筆が展示されていた。
ZOOM505万年筆(本年9月発売予定)
14金ペン先 21,000円(限定200本)
ステンレスペン先 10,500円(限定100本)
14金ペン先 21,000円(限定200本)
ステンレスペン先 10,500円(限定100本)
ZOOM505は、デザインコレクションスタート時からラインナップされていたモデル。その圧倒的な太さにもかかわらず、スッキリとしたデザインはいまなお多くのファンを魅了し続けている。今回、このZOOM505万年筆で特筆すべきことは14金ペン先とステンレスペン先が用意されていることだ。実際両方を書かせていただいたが、やはり、14金のほうがペン先の適度なしなりが味わえる。14金ペン先の万年筆は限定200本ということなので、欲しい方は急いだ方がいいかもしれない。発売は本年9月を予定しているそうだ。
左がステンレスペン先、右が14金ペン先
太軸が手にしっくりとくる | 外観はこれまでのZOOM505と 変わらない |
トンボブースで、デザインコレクション以外でちょっと気になったペンを見つけた。ピーフィットというとても短いボールペン。
トンボ ピーフィット 315円
長さにしてわずか9cmほど。しかも、かなり大き目のクリップが付いているのが特徴。この大きなクリップにより、鞄や手帳のカバーにも楽々はさめる。軸が短いので、ズボンのポケットにさしてもOK。よく見てみると、クリップの先端には穴があけられているので、ストラップにかけることもできる。
ボディの長さくらいあるクリップ | 小さくてもしっかり握れるラバーグリップ付き |
クリップ面が大きいので、キラキラとしたシールなどでデコレーションすることもできる。
短いながらも、握り部分にはラバーをつけるなど、快適な筆記という点もしっかりと考えらている。実際に書かせていただいたが、私の大きな手には、ちょっと小さい感じがした。長時間の筆記ということではなく、あくまでも携帯用のペンということで使うにはいいと思う。ロディアに挟んだりと、携帯ペンの新しい流れとなるかもしれない。