万年筆のインクというと、黒か青、またはその中間的な色あいのブルーブラックが一般的だ。多くの万年筆ブランドでは、こうした定番カラー以外にも、たくさんのカラーのインクが揃えられている。
カランダッシュ インクコレクション
今回はたくさんあるインクの中から、スイスのペンブランド カランダッシュがこの5月に発売したインクコレクション全9色を取り上げたい。このコレクションの特徴は、色数が豊富に揃っているということだけにとどまらない。各インクには、「強い欲望を解き放って」といった副題までが付けられている。「この色はこんな気分で使うといいですよ」「こんな気分に浸れます」といった新たなインクの愉しみ方を提案しているのだ。これはなかなか面白いと思う。
文房具屋さんでは、万年筆の試し書きはできても、インクの試し書きというのは、なかなかできるものでもない。ましてや今回のような9色となると、なおさらだ。
そこで、読者の皆様に少しでも試し書き気分を味わっていただければと思い、このカランダッシュの全9色の試し書きを行ってみた。
とくと、ご覧ください。
自然をテーマにした色彩豊かなカラー
自然をテーマにした全9色
今回のインクコレクションは地球上にある自然がテーマになっている。各ボトルには、それら自然をイメージした美しいビジュアルラベルが貼られている。こうした写真のラベルを貼ったボトルというのはこれまで見かけたことがない。
ご存知の方も多いと思うが、カランダッシュは高級筆記具ブランドである一方、かのパブロ・ピカソも愛用したという画材メーカーとしても有名だ。この画材の製品づくりで培ってきた技術力を活かして、今回の自然界の微妙な色あいを実現させている。
これまでにはない、斬新なインクボトル
インクボトルには、イタリア製のクリスタルガラスが使われているという凝りよう。ほぼ立方体のどっしとした安定感があり、机の上の文鎮代わりにも使えそうだ。ガラスはかなり厚みがあるのだが、透明度もなかなかあって、ガラス越しに色彩豊かなカラーインクを眺めることができる。
とても厚みのあるガラス | カランダッシュのトレードマークの 六角形のキャップ |
ずしりとくる重みがある