新しいペンを買って、「これは、なかなかいいぞ!」と満足感に浸れることがある。この満足感とは、一体どこからくるものなのだろうか。自分自身を振り返ってみると、使いやすさやデザインのよさはもちろんあるが、そのペンの価格以上の価値が見出せた時、満足感が体の中心からじわりじわりと広がってくるような気がする。
今回は、私自身が満足感に浸ることができたペンを5本選んでみた。しかも、1万円で手に入るという条件付きで。。
満足度の高いペン ベスト5
ロングセラーのボールペン パーカージョッター
パーカー ジョッターボールペン
まず1本目のペンとして取り上げたいのが、このジョッターというボールペン。見た目は何の変哲もないボールペンという感じなのだが、実はこれ、パーカーが販売した初代のボールペンという由緒正しき経歴の持ち主なのだ。
ただ、古いと言うだけではない。このジョッターは現在ある多くのボールペンの基礎を作ったといっても過言ではない。
例えば、ノックをするごとにペン先が回転して繰り出される機構がそのひとつだ。これは、毎回同じ角度で書き続けていると、ペン先のボールの片側だけが減ってしまうので、あえて、回転させてボールを満遍なく使えるようにしたものだ。これ以外にも、長く書ける大容量インクのリフィルや太さの違うペンポイントのリフィルなど、今のボールペンに受け継がれているスタンダードは結構多い。
ノックするごとにペン先を回転させる機構を搭載している。 | 1954年からの超ロングセラー |
ジョッターは今から50年も前に発売されたのだが、こうしたことからも、このジョッターがいかに発売当初から完成されていたかがわかる。
私はこのジョッターの中で、特に気に入っているところがある。それはノックボタンの押し心地のよさだ。現在の一般的なノック式ボールペンのそれに比べ重みがあり、押し込むと「カチッ」とメカニカルな音がする。このしっかりとした押し心地と音が五感を刺激してくる。
しっかりとした押し心地が味わえるノックボタン | パーカーのトレードマークの 「矢羽根クリップ」 |
この特徴あるノックボタンのジョッターは、小道具として007の映画に登場したことがある。ジェームス・ボンドがこのジョッターを手にして、「カチカチ」とノックボタンを数回押すと、ボールペンの中に組み込まれた時限起爆装置が起動するというものだ。ちょっと物騒な登場の仕方ではあるが、男心をくすぐるちょっと語れる薀蓄だ。
発売当初からデザインを変えることなく、このジョッターボールペンは今でも新品で手に入る。しかも、価格は1,050円と、値上げをするのを忘れてしまったかのような低価格だ。
歴史、実用性、そして薀蓄も語れるジョッター、得られる満足度はかなり大きい。
□ パーカー ジョッター ボールペン 各 1,050円
カラー:スペシャルブラック・スペシャルブルー・スペシャルレッド
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