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万年筆とハンコをまとめたスタイリッシュなペン

パソコン全盛とはいえ、ビジネスの場で欠かせないハンコ。そのハンコと万年筆を融合させたペン。アナログ同士の組み合わせがデジタル社会の中とても新鮮に感じる。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

ネームペン パーカー シグニチャー
ネームペン パーカー シグニチャー

仕事上の立場がだんだん偉くなってくると、増えるのが承認するという作業。社内の企画や重要案件の決済など色々とあり、いくらパソコンが普及しようともハンコは手放せないアイテム。「確かに私が間違いなく承認しました」という証、自分のアイデンティティともなる大切なツールなので、ぜひこだわってみたいもの。

今回ご紹介するのはハンコと万年筆をひとつにまとめたペン。
日本はもとより、世界的にも広く使われているハンコメーカーのシヤチハタ社と数々の調印などの場で使われてきた万年筆ブランド、パーカー社のコラボレーションによって実現したモデル。


日米の署名文化の融合

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これまでのネームペンとは一味違うデザイン

ネームペン パーカー シグニチャーメタルで出来たペンのトップをうまく生かしてハンコをつけているペンとハンコが合体したペンというとシヤチハタ社の「ネームペン」が有名だ。これまでの「ネームペン」はボールペンとハンコという組み合わせが中心だったので、今回の万年筆という試みはとても面白いと思う。

また、デザイン的にもこれまでより、ぐっとよくなっている。ブラックのボディの要所要所にはシルバーのパーツが使われていて、とても精悍な印象を与えている。パーカーには「デュオフォールド」というモデルがあるが、そのペンのトップには、ちょっと大きめなメタルのパーツが冠されている。今回のペンは、そのデザインアプローチをうまいこと取り入れているようで、あくまでも自然にペンとハンコを融合させている。

これまでの「ネームペン」はハンコの部分が一際大きいものが多かったので、今回のスラッとしたフォルムはとても好感が持てる。しかもパーカーのトレードマークである矢羽クリップがあることによって、よりシャープな印象に仕上げている。

ただ、いかんせん、ハンコがついている分だけ、一般のペンよりはいくぶん長い感じは否めない。個人的には、見た目にはハンコが入っているようには見えないが、実は組み込まれているという意外性があったほうがよかったのではないかと思っている。
ネームペン パーカー シグニチャースタンプ台要らずの秘密は
印面に無数にある気孔
さて、このハンコは「シヤチハタ印」でおなじみのスタンプ台のいらないタイプになっている。ペントップのキャップをはずして、ポンポンと気持ちよく押すことができる。

我々が「シヤチハタ印」と呼んでいるものは、正式には「浸透印」というそうだ。印面には目に見えないくらいの無数の気孔があり、しかもその気孔は印面に行くほど細くなっているという手の込みよう。まさに、ミクロの技術が結集されている。これにより、気持ちよくインクが出て、同時にはっきりとした印影を作ることができるのだ。

ちなみに、新幹線で車掌さんが切符の入札に使っているスタンプもシヤチハタ製。あのインクはさらに特殊で、捺印してから結構すぐに乾いてしまうという代物。ハンコの技術ではとにかくかなり先端を行っているメーカーということがお分かりいただけることだろう。

>>次のページでは、万年筆の書き心地をご紹介
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