ステーショナリー・文房具/ボールペンを愉しむ

胸元を主張する存在感あるのペン ラミーステュディオ(2ページ目)

2005年に発売されたラミーの最新モデル。独特なクリップのフォルムがどれとも似ていないオリジナリティがある。ポケットにさした時の、存在感がたまらない。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

ラミーらしい、3種類のボディ素材

 

ラミー ステュディオ ボールペン 万年筆
質感たっぷりのボディ素材
手前から、パラジュームコート、
マットステンレス、
マットブラック

このステュディオには、ラミーらしい質感タップリの3種類の素材をまとったモデルが用意されている。1つ目は、パラジュームコート。金とも銀とも違う独特な落ち着いた輝きを見せてくれる。手にしてみると、とても優しい肌触りがあり、手にした瞬間から手に馴染んでいくのが分かる。2つ目は、マットステンレス。まさにラミー、という感じの金属感あふれる素材。パラジュームコートに比べ、いくぶんザラザラとした感触がある。表面には、ヘアライン加工といわれる、髪の毛のように細かい線状の模様が敷きつめられている。ザラザラとしたボディと光沢のあるクリップとの対比が、見た目にも、とてもいいコントラストとなっている。最後がマットブラックと呼ばれるものだ。手にすると、ラバー素材かと思ってしまうが、実は塗装によるものだ。程よく指先にまとわり付いてくるので、ペンをしっかりとホールドすることができる。

どのタイプもシンプルでありながら、しっかりとした存在感をたたえている。個人的には、2番目のマットステンレスがラミーらしさがあふれていて、とても気に入っている。


ボリューム感あるボディが生み出す、バランスよい書き心地

ラミー ステュディオ
ボールペンは、太目の胴軸ながら取り回しがしやすい
ラミーステュディオ
14金のペン先はまさに紙の上をすべるような書き心地
ステュディオにはボールペンと万年筆の2種類が用意されている。ボールペンの胴軸は、緩やかな曲線を描く樽のように中央にふくらみがあり、太軸ではあるものの思いのほか握りやすい。手の大きな男性はもちろんのこと、女性であれば、グリップが細くなっている先端側が握ればさほど問題はないだろう。

万年筆のグリップは、ボールペンよりも、ひとまわり細めのグリップになっている。はずしたキャップを尻軸側にセットすると、カチッというクリック感があり、しっかりと固定できるようになっている。キャップが落ちやしないかと心配せずに、筆記に集中することができるのはとても助かる。キャップをさした状態でも、キャップ側に重量がかたより過ぎることはなく、まずまずの重量バランスが保たれている。14金をあしらったペン先は、多少の弾力があり、紙の上にペン先を走らせると、万年筆ではお馴染みのサラサラというあの音があまり聞こえてこない。ペン先まで、耳を近づけてみると、かすかに音をたてていた。その書き味は、紙の上をペン先が滑らかにすべり、まるでペン先と紙が一体になったような感じすらした。

 

ラミー ステュディオ ボールペン 万年筆
これまでのラミーには珍しく、ペン先にはゴールドの装飾がある


ラミーのペンは時が経つほどに、その魅力が深まっていくというものが多いように感じる。まるで、時代や流行がラミーを後から追いかけてきているように。きっと、このステュディオも時の経過とともに、魅力を増し続けていくことだろう。

 

ラミー ステュディオ ボールペン

■万年筆   
パラジュームコート(ペン先 14金)     25,000円
マットステンレス(ペン先 ステンレス)  12,000円
マットブラック(ペン先 ステンレス)    12,000円
■ボールペン 
パラジュームコート 10,000円
マットステンレス   8,000円
マットブラック    8,000円
*価格はいずれも税別




<関連リンク>
□ ラミー ステュディオのボールペンは、2015年にデザインがマイナーチェンジされています。

■ ガイド記事 「ちょっとレアなラミー」
■ ガイド記事 「分解心をくすぐる万年筆」
■ ガイド記事 「手帳用に開発された細身のペン」
■ おススメリンク集 「デザインのよいペン」
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