ステーショナリー・文房具/ボールペンを愉しむ

胸元を主張する存在感あるのペン ラミーステュディオ

2005年に発売されたラミーの最新モデル。独特なクリップのフォルムがどれとも似ていないオリジナリティがある。ポケットにさした時の、存在感がたまらない。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

 

ラミー ステュディオ ボールペン
■ ラミー ステュディオ 

ペンの印象というものは、クリップのデザインでおおかた決まってしまうもの。シャツのポケットにペンをさせば、なおさらクリップの形状が強調される。今回は、そんなクリップにとことんこだわったラミーの最新モデル、ステュディオをご紹介したい。ペンは、書く道具であると同時に、身にまとう道具でもあると思う。このステュディオは、そんな胸元を彩る道具としても使える本格ペンなのだ。


ハンネス・ヴェットシュタイン氏によるデザイン

 

ラミー ステュディオ ボールペン 万年筆
存在感あふれるデザイン

ラミー ステュディオ
ハンネス氏がデザインした
ラミーのペン。手前が「スクリブル」
ラミーはペン作りにおいて、ほとんどの工程を自社で行っている数少ないペンメーカーである。その徹底ぶりは、ペンに使われるひとつひとつのパーツの金型製作までにおよぶ。金型まで自社で作っているペンメーカーというのは、かなり珍しい。ただ、デザインだけは外部のインダストリアルデザイナーを起用して、コラボレーションをするというスタイルをとり続けている。

今回のステュディオのデザインは、ハンネス・ヴェットシュタイン氏によるものだ。ハンネス氏はスイスを代表するデザイナーで、その代表作としては、カッシーナの家具、カール・ツァイスの双眼鏡、ヴェンテューラの腕時計などがあり、幅広い分野で活躍をされている。ハンネス氏は今回のステュディオ以前にラミーのスクリブルというペンのデザインも手がけていた。この2つを並べてみると、ボリューム感のあるボディや、コンパクトなペン先あたりは、やはり同じ血が通っていると思わざるを得ない。

ちなみに、「ステュディオ」というネーミングは、いわゆるスタジオのことで、その意味の中には書く場所、つまり書斎という意味がある。それをコンセプトにしたモデルだ。

 

まるで、プロペラのようなユニークなフォルムをしたクリップ

 

ラミー ステュディオ ボールペン 万年筆
見る角度により、全く違った形に見える
ユニークなフォルム

ラミー ステュディオ
ポケットにさせばクリップはより際立ち、胸元を飾ってくれる
ラミーステュディオ
クリップはボディをツイストする時に指が掛けやすい
このステュディオは、何と言っても、その斬新なクリップが特徴的。これまでにない独特なフォルムは、まるで飛行機のプロペラを思い起こさせる。角度によっては、いろんな形に見えるデザインはとても新鮮。実は、このプロペラ状のクリップの実現までには、相当な苦労があったそうで、ハンネス氏のデザインを元に、クリップとしての機能をしっかりと持たせるまでに至るには、実に2年もの歳月をかけたという。ラミーのペンがどれもロングセラーになっているのは、こうしたラミーの細部までこだわり抜く姿勢によるものだろう。

さすが、インダストリアルデザイナーのハンネス氏だけあって、このクリップはフォルムの美しさだけでなく、使い勝手もしっかりと備えられている。シャツのポケットにペンをさす時は、誰しもクリップの先端側をちょこんとつまむことになる。このクリップはその先端がつまみやすいように、細くなっている。このつまみ心地やこれまでに味わったことのない感覚だ。武士が颯爽と刀をさやにおさめる時のように、このステュディオでもスマートにポケットにおさめることができるという訳だ。

このクリップ、ペンとの接地面が他のペンに比べとても小さい。面というよりも点ではさんでいるといったほうが正しいかも知れない。しかしながら、その挟み込むクリップ力は適度な強さがあり、ポケットにさしても、すこしの不安定感もない。おそらく、こうした技術面をクリアするのに、2年をかけたのだろう。

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