1本でボールペンやシャープペンなど何役もこなしてくれる多機能ペン。最近では3色ボールペンを使った情報管理術などを紹介した本をよく見かける。確かに色で情報を管理するのはとっても分かりやすい。
多機能ペンのいいところは、何本もペンを持ち歩かなくてよいということ、ワイシャツの胸ポケットに何本もペンをさすのはあまり格好の良いものではない。
でも、所有欲を駆り立てられる多機能ペンとなると、これが意外と少ない。「スタイルの良い多機能ペン」というシリーズで、これから色々な多機能・多色ペンをご紹介していきます。
第1回目の今回はロットリング社のエクステンション 4in1。
黒・赤・青のボールペンと0.5mmのシャープペンの4つの機能を搭載したペン。
製図ペンの老舗ブランド
胴軸にはトレードマークのレッドリング(赤い輪)がしっかりと付いている。 |
その後、一定の幅の線が引ける「バリアント」や「ラピッドグラフ」といった製図ペンを世に送り出し、高い評価を得て、製図ペンメーカーとしての不動の地位を築きあげていった。その確かな品質はプロのみならず、一般のユーザーからも広く親しまれている。そもそもロットリングとはドイツ語で赤い輪(レッドリング)という意味。ロットリングのペンにはそのシンボルマークである赤い輪が必ず施されている。
低重心を実現したユニークなスタイリング
樽型に膨らんだ個性的なグリップ |
このペンをもっとも印象付けているのは、グリップの形状だ。まっすぐとした胴軸がグリップにくるなり、いきなりふくらみを見せ始める。まるで緩やかな樽のようだ。
そのクリップには、これまでのロットリングのペンでよく見受けられたギザギザから、うって変わって、短めの線を互い違いに配置したデザインになっている。先ほどのツルツルとしたボディとあいまって、とてもソフトな握り心地が得られる。以前、女性の方にギザギザグリップは指が痛くなってしまって使いづらいというご意見をお聞きしたことがある。エクステンションは女性の方でも安心して使えそうだ。
確かに重心はペン先側にある。 |
それは、先ほどの樽型クリップで解決しているのである。グリップ部分を樽型にして、肉厚の鉄を使うことでペン先側に重心を持ってきている。
この低重心の良い点は、握ったときにバランスがよく、長い時間、筆記をしていても疲れづらいということ以外に、ペン自体の重量で手にあまり力をかけなくても文字が書けるといった利点もある。
さらに言えば、多機能ペンは、何種類ものペンが入っているので、どうしても胴軸は太くなってしまうということもある。このエクステンションでは、あえてグリップ部分にボリューム感を持たせて、その比較の中で胴軸部分を細く見せるという視覚的効果も狙ったのではないかと私はみている。
樽型というユニークなデザイン性の裏には実は、こうした使いやすさを考え抜いた工夫があったのだ。さすが、プロの道具を作り続けてきたロットリングならではだと思う。
出したいペンのマークを上にしてノックをすればお好みのペンが出る。 |
クリップはよくひろがるので・・・ |
ペン先を入れ替えて自分用にカスタマイズもできる。
このエクステンションには3色のボールペンとシャープペンがあらかじめ内蔵されているが、人によっては、「PDA用のスタイラスも使いたい」といったいろんなニーズもあるはず。ロットリング純正のリフィルには蛍光オレンジのボールペンや、スタイラスも用意されている。またラミーのグリーンのボールペンリフィル(LM21)も使うことができる。自分のスタイルに合わせて色々とカスタマイズしてみるのも楽しいと思う。
ノートやスケジュール帳にプロジェクトごとに色分けして書きとめれば、後で見返したときに分かりやすいということもあるけど、
カラフルな色使いは自分の気分も楽しくさせてくれるといった効果もあったりする。
1本で4役をこなしてくれるエクステンション。手帳へのちょっとしたメモから、長文の筆記まで、いろんな場面で活躍してくれそうだ。
■ロットリング エクステンション 4in1 5,250円 全長 :146mm(ペン先を出した状態で138mm) 胴軸径:10mm (グリップ最大径:11mm) 重さ :34g ボールペン3色(黒・赤・青)+シャープペン0.5mm |
<関連リンク>
「デザインのよいペン」のリンク集
ロットリング オフィシャルサイト(英語)