ステーショナリー・文房具/ボールペンを愉しむ

手帳用に開発された細身のペン

1枚の鉄板を加工して作られた存在感あふれるペン。スリムなボディながら所有欲をかきたてられるデザインはさすがラミー。

土橋 正

執筆者:土橋 正

ステーショナリーガイド

ラミースピリッツ
 
皆さん、スケジュール帳にはどんなペンをお使いですか?

私は、スケジュール管理をこれまで電子手帳1つでやりくりしてきました。なので、スケジュール帳専用のペンというものを持っていませんでした。でも、今年は電子手帳に加えて、紙の手帳クオバディスのビゾプランを持つことにしてみました。およそ5年ぶりに。

私が持つことにしたビゾプランという手帳はいわゆる綴じ手帳。しかも見開き2ページで1ヶ月表記なので、総ページ数にしてわずか36ページ。そんなスリムな手帳なので、あまりに太すぎるペンは似合わない。スリムではあるけれど、存在感があって所有欲のかられるペンはないものかと探していたところ、いいペンを見つけました。

それが今回ご紹介するラミースピリット。

とても細身なペンでありながら、重厚感すら感じてしまう存在感がある。細いというハンデをまったく感じさせず、むしろ積極的にそれを活かした秀逸なデザインだ。

そのデザインの魅力に迫ってみたい。

鉄を巧みに加工したデザイン

ラミースピリッツ
存在感はたっぷりの細身なデザイン
1枚の鉄の板を巧みに加工して作られたボディは細い胴軸をとても個性的に仕上げている。決してやわらかくない鉄をしかもこんなに細く加工するのは大変なことだっただろうとついつい余計な心配をしてしまいたくなるくらいコンパクトにまとまっている。

胴軸の細は、一番細いところで約4mm。
鉛筆の太さがだいたい7mmなので、その細さがご理解いただけることだろう。

ただ、さすがラミー、細く見せながらもグリップ部分はちょっと太めになっていてこちらは6mmと鉛筆と1mmしか違わない。見た目には細くみせつつ、実は握ってみると意外としっくりとくる。

ラミースピリッツ
鉄独特の質感とグリップの穴により、まるで小さな機関銃を彷彿させる。
握りやすさに一役をかっているのは、その太さだけでなく、グリップの加工にもある。グリップ部分には、ほぼ全面にわたって小さな穴が敷きつめられている。おそらく細い軸を維持しつつ確かなグリップを実現したいがために、ラバーなどをかぶせるという方法をあえてとらずにこうして穴を開けたのだろう。しかもこの穴の配列がスピリットのデザイン的な特徴にも大いに貢献している。

ボディの素材には鉄が使われており、手にしたときにちょっとざらざらした感触がある。かなりしっかりした鉄が使われているようだが、スリムな胴軸のため、手にしても決して重い感じはしない。デザインだけでなく書くという使いやすさへの配慮もあるのはラミーならではだ。

ノックをするとペン先が出てくるが、その際カチカチと音を立てない。その代わりに、シャキシャキという小気味のよい音がかすかにする。小心者の私としては、静かな会議中にカチカチと音がするのは困る、これなら周りに気兼ねすることなく、おおいに使うことができてうれしい。

手帳との相性はばっちり

ラミースピリッツ
スリムな手帳にもすんなり収まる。
今回の私の目的であったビゾプランの手帳に早速スピリットをさしてみた。さすが、細身のボディなのでスリムな手帳にもなんなく収まった。

胴軸と同様にこれまた細みのクリップが手帳をしっかりとホールドしてくれている。クリップのつくりを見てみると、単体パーツではなく。胴軸と同じ鉄板を巧みに折り曲げられて作られている。

手帳用のペンということではあるけれど、普段使いにだってもちろん使える。むしろ、どんどん使いたくなってしまう存在感のあるペンだ。

ラミースピリッツ
■ ラミー スピリット ブラック *ブラックは廃盤
現在はステンレスタイプのみ。ボールペン、ペンシル 各5,500円+Tax


<関連リンク>
□ ラミー スピリット 公式ページ

「デザインのよいペン」のリンク集
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