40代・50代の日本人のスーツコーディネートは暗い印象!?
日本人のスーツのコーディネートの定番と言えば、ネイビーかグレーのスーツに白のワイシャツ、スーツと同系色の暗めのネクタイです。
僕が以前、とあるヨーロッパの紳士服ブランドで働いていた時、本社のデザイナーが日本に来て、日本のビジネスマンのスーツ姿に驚いたことがあります。彼が言うには、日本のビジネスマンは皆、ダークスーツを着て、シャツやネクタイが地味。みんな同じように見えて、全体的に疲れているようだというのです。西洋人の髪の毛は金髪やブラウンで明るく、肌の色も白いので、ダークな色目の服が似合わないかわりに、服装のコーディネートも明るめの印象があります。なので、“ヨーロッパの国と比べられても。。”と思ったものですが、確かに、当時は日本のビジネスマンのスーツ姿は暗いイメージのものでした。
しかし近頃は、変化してきています。日本でも40代を中心に、ビジネスマンもお洒落で、スタイリッシュになってきました。40代、50代となると、自分では気がついていなくても、スーツのスタイリングにどこか若さとフレッシュさをアピールしたくなるもの。しかし、どうも若作りをやり過ぎてしまうのか、しっくりいかないケースも多々あるようです。
そこで今回は、40代、50代のビジネスマンにぜひ心得てもらいたい、スーツ・ネクタイの若返り成功例と失敗例を、コーディネートする色と柄にフォーカスして紹介したいと思います。
40代50代のスーツコーディネート1.色の数と選び方
若作りのコーディネートには、カラーをうまく取り入れる方法があります。しかし、色の取り入れ方も、やり過ぎるとどことなく若く見えるどころか下品になってしまうので要注意です。特に気をつけたいのがVゾーンのカラー・コーディネート。Vゾーンではいろいろな色を取り入れ過ぎると全体のコーディネートもまとまらなくなってしまいます。スーツ、シャツ、ネクタイのコーディネートの色目を4つの系統色以上で合わせるのはダメ。2つから3つ以内の系統色でまとめるとすっきり若々しく見せることができます。成功パターン: スーツ、シャツ、ネクタイを2~3色の系統色でまとめる
失敗パターン: スーツ、シャツ、ネクタイを4色以上の系統色でまとめる
40代50代のスーツコーディネート2.色の合わせ方
こちらの写真は、失敗例です。シャツをグレーのストライプなどにすると地味な印象を与えます。また、ネクタイもブラウン系の柄ものはシックなイメージでまとまり感はありますが、若々しさを与えるものではありません
ビジネススーツにはできるだけカラーを取り入れず、ベーシックで明るめなブラック、ネイビー、グレー、ブラウン系統のものを選びます。夏場などパステルカラーのスーツを着る人も見かけますが、カジュアルなシーンであればよいですが、ビジネスシーンにはふさわしくありません。また、コーディネート色の合わせ方の成功例としては、スーツとネクタイは対照的な色でコントラストをつくると若々しく、インパクトのあるVゾーンができます。さらに、シャツの色は、白も清潔感が溢れてよいですが、若々しくコーディネートするには淡いパステル系のブルーやピンク、黄色などのカラーのシャツを活用しましょう。シャツやネクタイの色で気をつけたいのはグレーや茶色などのダークな色、また、地味な中間色を選ばないことです。若々しく見えません。
成功パターン: ビジネススーツはベーシックな色。Vゾーンでは対照的な配色でインパクトをつくる。シャツはパステルカラーで若々しさを強調
失敗パターン: ビジネスでカラースーツを着る。Vゾーンを同系色でまとめすぎる。シャツ色に地味なダーク色や中間色を選ぶ
40代50代のスーツコーディネート3.柄の合わせ方
こちらの写真は好例です。ストライプのレジメンでつくるVゾーンは若々しさを強調してくれます。その際、合わせるスーツは無地のネイビーかグレーのスーツをチョイスすると、プレッピーで上品な着こなしになります
色の次に気をつけたいのは、柄のコーディネートです。ストライプのスーツに格子柄のシャツ、ストライプのネクタイの組み合わせといったように、柄に柄を合わせるコーディネートは上手に行けば綺麗にまとまり、すごくお洒なのですが、そう簡単ではありません。そんなときは、足し算ばかりではなく、引いてみるコーディネートも大切なことを覚えておきましょう。例えば、チェックやストライプのスーツを着たいときは、シャツとネクタイを無地にしてVゾーンをシンプルまとめます。また、ストライプのシャツを着るときも、柄のネクタイは避けて、無地で合わせるのがコツ。そうすることで、シンプルで若々しいコーディネートと上品さを演出できます。
成功パターン: スーツ、シャツ、ネクタイでは、一つか二つのアイテムに柄をもってくる。若々しさを表現するには、ストライプかチェックの柄がよりよい
失敗パターン: スーツ、シャツ、ネクタイで、すべてに柄を持ってくる、うるさいコーディネート
以上、今回は、40代、50代のビジネスマンの人たちにぜひ参考にしてもらいたい、スーツ、ネクタイの若作りの成功パターンと失敗パターンの例を紹介しました。若作りには大いに賛成ですが、年をとると、ただ若く見えるように装うだけではなく、どこかに風格と品のよさが漂うコーディネートを実践するよう心がけていただきたいと思います。
【関連記事】