男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

英国誂靴を凌ぐ、美しすぎる靴 後編(3ページ目)

前編では靴が中心でしたが、後編ではシューメーカーの福田洋平さんの靴作りの考え方を紹介します。また、彼が毎日作業している工房や工具の写真もあるので、見るだけでも楽しめます!

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

プロポーションを崩さないために


Yohei Fukuda
ビジューワタナベ・白金台オルロジュリ限定のエクスクルーシブモデル。ベースは「Yohei Fukuda」ヘリテージコレクションで、カラーがエクスクルーシブということ。

福田さんは作り手側であるが、イギリスでの修行時代にいろいろなところでビスポークシューズを注文した経験がある。ブランドによってきつかったり、ゆるかったり、プロポーションが悪かったりすることが多かったそうだ。

きつめ、ゆるめのフィッティングはお店の個性でもあるので、意思の疎通がうまくできれば解決するだろう。問題は見た目のプロポーションである。

日本人の平均的な足型はやはり欧米人のようなスマートな足とは異なる。そのためビスポークシューズを注文しても、履きやすさは満足できるかもしれないが、見た目の美しさを妥協しないと駄目な場合も多い。ビスポークシューズだからすべて完璧というわけにはいかないのだ。

Yohei Fukuda
それにしてもアーチの美しいこと! とうぜんですが機械によるつり込みではこんなラインは出ません。

ちなみに高級既製靴がカッコよく見えるのは木型やパターンを3~4回修正して完成していくためだと言われている。また左右対称に見えるように非対称にパターンを作ることによるバランスの良さも大きいだろう。

この場合の左右というのは片方の靴での内側と外側(右と左)のバランスのことで、たとえばフルブローグ(ウィングチップ)の既製靴なら外側(小指側)のほうが内側よりも広くとっている。

一方のビスポークシューズのパターンはほとんどの場合、左右対称に作られる。さらに顧客の足のフィッティングを重視するため、プロポーションを崩さずに誂えることは難しく、国内外のビスポークシューズはバランスを崩しているものが多いらしい。

福田さんは木型もパターンも作れるシューメーカーなのだが、あえてプロポーションを崩さずにスマートに見えるハンドソーンのパーソナルオーダーでの展開を選んだのだ。

Yohei Fukuda
立体的なヒールカップとピッチドヒール。グッドイヤーの靴のピッチドヒールは装飾っぽくて嫌いだけど、ハンドソーンの靴にはぴったりですね。あと、素人考えでもツイステッドラストにヒールを取り付けるのって難しい気がするなあ~。

木型の修正は行わないが、人によって足のウィズも違うので、DウィズやEEウィズの対応は可能とのこと。今回はチゼルトウでの展開だが次回はラウンドトウを考えているそうだ。

イギリスのビスポークシューズの伝統を踏襲して、オリジナルの美しい靴を作り出す福田洋平さん。

実際に見て、触って、試着して「これは欲しい」と思ったほどの靴なので、個人的にも興味のあるシューメーカーだ。

イギリス靴に興味のある人は一度見るだけでも価値があると思うので、ビジューワタナベ・白金台オルロジュリを覗いてくださいね。

●付属品
専用のシューズボックス、イギリス製のシューバッグとポリッシングクロス、イギリス製の真ちゅう製ヒンジを使った木製シューツリー、交換用の靴紐、乳化性の靴クリーム、ワックス。

●価格
ヘリテージコレクション」 価格294,000円
クラシックコレクション」 価格273,000円
ともに税込み価格。

●納期
約3ヶ月

★Yohei FukudaのWEBサイトはこちら★

お問い合わせ先
ビジューワタナベ・白金台オルロジュリ
東京都港区白金台 3-17-5 間中ビル1F
TEL.03-3441-2237
http://www.bw-shiroganedai-horlogerie.co.jp
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