昔の映画のこと(ほとんど世間話)
Vick tailor(ヴィックテーラー)の本棚にはぎっしりと資料が。ウィンザー公やケイリー・グラントの本、さらにアラン・フラッサーの本もありました。かなり勉強されているという証ですね。 |
授業中に出できた映画のタイトルは忘れないようにメモして、あとからレンタルビデオでみましたよ(笑)。
倉野/かなり研究熱心な生徒だったんですね。近藤さんが一番好きな映画俳優は誰なの?
近藤/ケイリー・グラントですね。とくに「めぐり逢い」の彼は好きです。
倉野/ボクはミーハーだから「泥棒成金」「北北西に進路を取れ」「シャレード」。
もう全編みるのが面倒だから、好きなシーンだけ。グレース・ケリーと不動産を見に行くシーン、エヴァ・マリー・セイントとの食事のシーン、ヘプバーンの前でシャワーを浴びるシーンだけ(笑)。
近藤/グラントは若い頃はドレープスーツでしたが、'50年代以降は普通のシルエットのスーツになりましたね。とてもいいですね、彼の着こなしは。あと、デビッド・ニーヴンも好きです。
倉野/おっ渋いですね。ボクもほんとニーヴンが好きで、「寝室ものがたり」「いとしの殿方」は大好きでした。
「寝室ものがたり」の白のタキシード姿は素敵ですね。彼は姿勢がすごくいい! まさに英国紳士のイメージです。
近藤/たしか「寝室ものがたり」はDVD化されてなかったはず。 マイケル・ケインの「ペテン師と詐欺師 騙されてリビエラ」がリメイク版でしたね。あと、シャルル・ボワイエも好きな俳優です。
アンニュイな午後3時・・・。 |
あと380円DVDでデビッド・ニーヴンの「永遠に貴方を」も(笑)。クラシックファンには有難いことです。こんなに安くていいのかな・・・。
近藤/シャルル・ボワイエは「おしゃれ泥棒」「幸せはパリで」「薔薇のスタビスキー」にも脇役で出ていたと思いますよ。
ああいうエレガントな着こなしができる俳優も減ってきましたね。
倉野/そうですね。最近の映画から着こなしや、立居ふるまいを学ぶということがなくなりました。往年の俳優のほうがエレガントだったように思いますね。
近藤/フレッド・アステアはエレガントですね。とくに踊っているときが一番エレガントです(笑)。アステアは好きですか?
倉野/昔(20数年前)、ビデオに(3倍で)録画したザッツ・エンターテイメントの「踊るニューヨーク」を思い出しますね。
ビギン・ザ・ビギンの曲に合わせてエレノア・パウエルとタップダンスするでしょ。たしか白いスーツ着て。
あれを見ちゃうとジーン・ケリーのダンスが重く見えちゃう(笑)。スーツを着てよく踊れるなあ~と昔から思ってました。
近藤/踊りやすいようにトラウザーズの丈を少し短くしていたんだと記憶しています。彼はアンダーソン&シェパードで誂えたりしてましたよね。
倉野/最近リニューアルしたポール・スチュアート青山店に行って、カタログもらったら、フレッド・アステアが載ってました。顧客だったようですね。
そうそう、「輪舞」のアントン・ウォルブルックっていいよね。狂言回しの役なんだけど・・・。(長いので割愛)
ほとんど世間話であっという間に2時間以上が過ぎてしまった。ごめんなさい、近藤さん仕事にならなかったでしょう。
近藤氏愛用のマッピン&ウエッブのアンティーク・ウオッチ。シルバーカトラリーで有名ですね。 |
正直いって、普通の人に35万円~という金額はなかなか出せません。ボクも出せません。
ただ、本気で仕立て職人がつくるとこの金額になるんです。むしろ価格を抑えていると思います。
彼がつくるスーツは10年でも20年でも着られます。長く着られるようにつくっているんです。ベースとなるデザインもクラシックですし。
たとえ体型が変わってもお直しができます。縫い代だってたっぷり残していますから。既製スーツは縫い代も残していないし、どんなにいい生地を使っても、数年でシルエットが崩れるといいます。
少し経済的に余裕があって、スーツやジャケットに興味のある人は近藤氏に相談してみるのもいいと思います。
スーツ 価格35万円位~
ジャケット 価格24万円位~
トラウザーズ(パンツ) 価格11万円位~
すべて生地代込みの価格。
納期は約3ヶ月。できれば電話を入れて予約したほうがいいです。
都内および近県であれば出張もしてくれるとのこと。
商品のお問い合わせ先は、
【Vick tailor(ヴィックテーラー)】
東京都荒川区東尾久 6-51-11 フォンス館 2F
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