コットンジャケット+サマーウールのパンツっていいの?
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■ダーク・マドラスジャケットは柄物なのでコーディネートの色を抑えることで、ビジネスウェアに昇華させる。ブロードクロスのボタンダウン・シャツに、茶系ストライプのシルクレップ・タイ。淡いベージュのポケットチーフはティー・ビー・フォールドで。シャツとこのチーフがハイライトの効果を出している。合わせるパンツはチャコールかミディアムグレーのトロピカルがおすすめ。ジャケット、シャツはフルオーダーのため価格未定、ネクタイ1万500円(税込み)、ポケットチーフ5040円(税込み)/すべてテーラー・ケイド 03-5467-3088 |
このシアサッカーを含めてコードレーンといったコットンのジャケットと、サマーウールのパンツとを合わせていいのかという疑問を抱いてしまった。日本でも1960年代のアイビー全盛期の頃は、よくある着こなしだったと聞いてはいたが、1980年代初頭の第2次アイビーブーム(’64、’73に流行ったので第3次という説もあり)の頃はあまりこの組み合わせはしなかったように思う。ちょっと気になったので、1980年当時の『メンズクラブ』やアイビー&トラッド本を調べてみると、数は少ないもののコットンジャケットとサマーウールのパンツという組み合わせはあった。しかし圧倒的に、
シアサッカー、コードレーン、ダーク・マドラスチェック、クレイジー・マドラスチェック、ブルーシャンブレー、オックスフォードのジャケットに、コットンパンツもしくはチノーズ、
シアサッカー、コードレーン、シャンブレーのパンツを組み合わせたものが多い。しかもスーツとしてではなくバラバラでコーディネートしているのだ。まあ、考えてみると、グレーのサマーウールのパンツというのは、
ネイビーブレザーに合わせるというのが当時の基本だったので、コットンのジャケットにあえて合わせることはしなかったのである。
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■イラストレーター穂積和夫氏による絵本アイビーボーイ図鑑。1/4世紀という時間が過ぎたけれど、まったく魅力を失わない。最近、待望の復刻版が愛育社から発売された。私物 |
穂積和夫氏の『
絵本アイビーボーイ図鑑』(1980年4月10日 第1刷/講談社。最近、愛育社から復刻)の54ページを見ると、バッチリ載ってました!
シアサッカーにサマーウールのパンツ! 足元はサドル・シューズで、衿元はアスコット・スカーフをあしらってます。ん~、でもこれはビジネスというより盛夏のレジャースタイルですね。おっと、47ページを見ると、
ピンコード(細いストライプのコードレーン)
のスーツが登場! 白のボタンダウン・シャツに黒のニット・タイを合わせてます。これはビジネスウェアだな。1960年代には当たり前だった「
コットンジャケット+グレーのサマーウールのパンツ」という組み合わせは、残念ながら1980年代前半にほぼ消滅してしまった。その要因は、
アイビー=大学生という図式が当時なんとなくあって、ビジネススーツとは無縁だったからだと思う。ネクタイするときもブレザー+チノーズ(チノパン)で済ませていたからな・・・。しかし前述の『TAKE IVY』のビジネスマンように、清涼感漂う着こなしなら現在のビジネスシーンでもOKだと思う。そう思いません?
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