都心の夏はほんと暑い。気温も毎年ぐんぐん上がっているようで、話題のクール・ビズ導入は正解だったかもしれない。しかしネクタイをしないだけで、いつもはキリッとしている政治家も、普通のおじさんに見えるから不思議なものだ。そんなクール・ビズを向こうに回すわけではないが、夏のビジネスウェアをもう一度考えてみた。まず、大切なことは実際に着て涼しいということ。そして、まわりに清涼感を与えるということだ。近頃は猛暑のせいもあって、涼しさ漂う凛とした着こなしを見せてくれるビジネスマンも少なくなってしまった。そこで提案したいのが、ちょっと涼しい日にはしっかりスーツを着て、ネクタイをしましょうよ、ということ。そのためにも夏のスーツ&ジャケット生地について整理してみたい。今回のコーディネートはすべて渋谷のテーラー・ケイドにお願いした。

夏の服地をもう一度勉強しましょう!

シアサッカーのコーディネート
■シアサッカー1960年代のI型で、ケイドのハウスモデルにふさわしいシアサッカー・ジャケット。ブロードクロスのシャツに、ネイビーストライプのシルクレップ・タイ。ポケットチーフはペイズリーの小紋をアイビー・フォールドで。パンツはダークグレーのトロピカルがおすすめ。ジャケット、シャツはフルオーダーのため価格未定、ネクタイ1万500円(税込み)、ポケットチーフ5040円(税込み)/すべてテーラー・ケイド 03-5467-3088
思いつく夏の生地を挙げてみると、シアサッカー、コードレーン、ダーク・マドラス、ポプリン、トロピカル、ポーラ(フレスコ)、トニックといったところ・・・。素材なら夏の定番のリネンや、独特のシャリ感と光沢をもつモヘア(アンゴラ山羊の毛)混のサマーウール(夏用のウーステッド/梳毛の総称)も根強い人気がある。シアサッカーやコードレーン、ダーク・マドラスはカジュアルウェアには向いているが、ビジネスウェアには不向きといったイメージがどうしても拭えない。
リネン&ウールのコーディネート
■リネン&ウールリネン45%とウール55%の混紡はシワになりにくく実用的。織りは1950年代に流行ったスプラッシュ織り(ところどころネップが意匠になっている)によって、清涼感を演出する。Vゾーンはオリーブグリーンと落ち着いたイエローのストライプをあしらったシルクレップ・タイ。小紋のポケットチーフはアイビー・フォールドで。ジャケット、シャツはフルオーダーのため価格未定、ネクタイ1万500円(税込み)、ポケットチーフ5040円(税込み)/すべてテーラー・ケイド 03-5467-3088
ところが1960年代のアメリカ東海岸あたりでは、ビジネスウェアとして認められていたのである。昭和40年(1965年)に婦人画報社から発売された『TAKE IVY』(ボクが持っているのは昭和48年の復刻版)の93ページを見ると、シアサッカー(もしかしてコードレーン)のジャケットを着て、マディソン街を歩くビジネスマンの姿が写っている。パンツは濃いグレーのサマーウールを穿いて、黒の革靴、手にはアタッシェ・ケースを持っている。米国ではシアサッカーがビジネスウェアとして認知されていたという証である。服飾研究家で知られる堀洋一先生の著書によると、もともとこのシアサッカーという素材は、19世紀末にイギリス人が当時の植民地であったインドのカルカッタで、シルクのものを着用したのがオリジナルだそうだ。
商品のお問い合わせ先は、【テーラー・ケイド】東京都渋谷区渋谷3-28-15 第5野口ビル206号TEL&FAX 03-5467-3088http://www.tailorcaid.com/
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