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もう一度見直そう、I 型スーツ! ケイドのOwn Makeモデル(4ページ目)

ブルックス ブラザーズのOwn Make(オウンメイク)スーツを、あのテーラー・ケイドが復活させた。しかも仮縫い付きのフルオーダーだ。百花繚乱のスーツ時代だからこそ、あえてI 型の魅力を考えてみたい!

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

テーラー・ケイドが提案するOwn Makeモデル


テーラー・ケイドOwn Makeモデル(仮縫い付きのスペシャルオーダー)スーツのタグ
テーラー・ケイドOwn Makeモデル(仮縫い付きのスペシャルオーダー)スーツのタグ。ブルックス ブラザーズのタグに似ているところが心憎い。
そんなブルックスのOwn Makeスーツを踏襲し、現代に蘇らせたのが渋谷に店舗を構えるテーラー・ケイド(以下ケイド)である。

もちろんただのコピーではない。'60年代当時のOwn Makeスーツをはじめ、さまざまな資料を参考にして作り上げた、トラッドマニア待望のスーツである。


Own Makeモデル(仮縫い付きのスペシャルオーダー)スーツ
テーラー・ケイドのOwn Makeモデル(仮縫い付きのスペシャルオーダー)スーツ。よく見るとチェンジポケット付きだ。ブルックスの本店ではチェンジポケット付きが、スペシャルオーダーの証だったそうだ。I 型にチェンジポケットとは凄い!価格16万5900円(税込)~。
ブルックスのOwn Makeは要所手縫いとはいえ、あくまでも高級既製服であったが、ケイドのそれは仮縫い付きのフルオーダーであり、スペシャルオーダーモデルである

片玉縁のフラップ付きポケットや、両玉縁の内ポケット、約45度の角度でステッチされたセンター・ベント仕様など、ディテールはOwn Makeを参考にしているが、それはあくまで化粧でしかない。


フラップの裏地も表地と同じ
ポケットのフラップの裏地は表地と同じものを使用。これもブルックスのOwn Make仕様を継承している。
肝心なのはナチュラル・ショルダーであり、前ダーツなしのナチュラルウエストであり、全体のシルエットとクオリティーである。

ただし、ケイドが提案するナチュラル・ショルダーはVANなどに見られるタイトな(首側にかなり入った)肩ではなく、着る人にとって着やすい、文字どおり自然な肩なのだ。


Own Makeモデル(仮縫い付きのスペシャルオーダー)スーツのセンター・ベント
こちらもブルックスのOwn Make仕様を踏襲。ベントに並行してステッチが施されている。
実際に羽織ってみると、トラッドメーカーの既製スーツとは一線を画している。

ウエストは前ダーツをとっていないものの、若干絞りを入れていて、ただのずん胴ではない

これはブルックスが'61年に発表した「ナンバー・ツー・スーツ」(日本でいうII型)に見られる仕様である。


Own Makeモデル(仮縫い付きのスペシャルオーダー)スーツの両玉縁内ポケット
両玉縁の内ポケットも、ブルックスのOwn Make仕様を継承。
前ダーツを入れてウエストを絞り、無理にドレープ感を演出したスーツとは違い、見ためにも自然で、ふわっとした優美なラインが出ていると思う。ボクはこのライン、とても好きですね~。


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